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安易なインディー・フォークの軟弱さ(no indie folk softness)やポストロック的な大仰なクレッシェンド、そしてメタルコア特有のハーフタイム・ドロップ(no metalcore half-time drop)を徹底的に焼き尽くし、90年代後半のメロディック・ハードコア(melodic hardcore, post-hardcore)の強靭な疾走感とシューゲイザー的な倍音音響を融合させた、逃げ場のない密室の飽和音響です。BPM142の焦燥的な推進力。全編にわたり、8分音符で刻まれるエレキギターの激しいカッティング(driving eighth-note rhythm guitar)が煌びやかな和声の倍音(harmonic overtone shimmer)を伴ってミックスの天井を支配。低域では、ベースがキックの打点に対してあえて「裏」を突いて並走する独特のノリ(bass plays against the kick)を発生させ、ブライトで極めてドライにチューニングされたスネアが、感情を執拗に急き立てます。
歌詞の核となるのは、コンテクストを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「同じ速度のまま違う道を走る車、届くことなく周囲を回り続ける言葉、変えられないまいただ残された窓の隙間。理想の明日を完全に拒絶し、永遠の平行線のなかにただ佇む男の平熱の独白」。ボーカルは言葉をぶつ切りにするような会話調のリズム(clipped speaking rhythm)から、サビでの開かれたロングトーンへと変化。フレーズの合間の残響音(reverb tail)が、まるで次のフレーズへの駆動を促すリズム楽器(rhythmic element between lines)として機能しています。プリコーラス(Bメロ)では、それまでの轟音の壁が一瞬にして1本のクリーンな単音ギター(single clean tone)へと急降下する過激な引き算を提示。終盤のブリッジでは、部屋全体のルーム・アンビエンス(room sound forward at bridge)が歪みの壁と共に一気に最前線へ押し出され、剥き出しの4バールのドラムソロ(4-bar drum-only passage)を経て、最後はサビのリフレインの途中でカミソリのようにプツンと言葉の音節の途中で完全遮断(cuts mid-word on last syllable)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。