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大仰なアリーナロックの音響(no arena rock production)やサビでの劇的な転調、そして重量級のモッシュ・ブレイクダウン(no heavy mosh breakdown)を徹底的に焼き尽くし、1980年代後半から90年代初頭の初期衝動に満ちたハードコア・パンク(hardcore punk)とパワーポップの瑞々しい疾走感を融合させた、逃げ場のない密室の飽和音響です。BPM168の、快適さの限界を超えるように急き立てる(slightly too fast for comfort)無骨な推進力。タイトにロックされたキック、スネア、ベースの鉄壁のグリッドの上で、歪んだエレキギターがリズムではなく「ノイズの壁」としてのテクスチャー(guitars as texture above)を形成。ヴァース(Aメロ)ではベースがギターの周波数帯を侵犯しながらハイポジションで狂おしい対位旋律(bass plays high register countermelody in verse)を奏で、ミックスの最前線に押し出された高ピッチのスネア(snare pressed high in mix)が焦燥感を執拗に煽り立てます。
歌詞の核となるのは、センチメンタリズムを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「見知らぬ他人と肩を寄せ合うライブハウスの熱気、40人の肉体のなかで誰一人として自分とは交わらない孤独、喉の渇きと肉体的な圧力。理想の明日を完全に拒絶し、ただ『現在の過密と虚無』に身を投じる男の平熱の独白」。あえてユニゾンでダブリングされ、僅かなピッチのズレ(slight pitch drift for density)をそのまま残した無骨なボーカルは、残響ゼロの超至近距離チェストボイス。サビ(コーラス)では一瞬だけ煌びやかな和声の輝きを見せるものの、直後にカミソリで切り落とされたかのように再び原始的な単一ギターの壁へと崩壊。終盤のブリッジでは、大人数の大合唱(群衆のチャント)の譜割りを、あえて「たった一人の孤独な声(only one voice recorded)」で叫ばせることで、埋まらない空白の質量を際立たせます。最後はフェードアウトを真っ向から拒絶し、リフレインの最後の音を小節の終わりから不条理に3拍ぶん長く引き延ばした(outro extends final chorus note 3 beats too long)直後、プツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。