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大仰なエピック系のプロダクション(omitting all epic productions)や壮大なストリングスの上昇、そして派手なクラブビートを徹底的に焼き尽くし、2010年代中盤のインディーポップ(mid-2010s indie pop)の質感と1980年代ニューウェーヴの無骨な骨組みを融合させた、逃げ場のない密室の飽和音響です。BPM102の平熱の推進力。イントロから全編にわたり、うっすらとコーラスの効いたクリーンなエレキギター(clean electric guitar with slight chorus)と、温かく独立したベース、そしてリズムマシンによる淡々とした中テンポのパルスが、蛍光灯の下のスーパーマーケットのような、無機質でどこか感傷的な空気感(fluorescent lighting atmosphere)を構築しています。狭くドライなスタジオ空間(dry small room acoustic)のなかで、音圧は徹底して平坦かつ緻密にコントロールされています。
歌詞の核となるのは、センチメンタリズムを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「火曜日のスーパー、彼女がいつも選んでいたブランド、飲まないはずの低脂肪乳。別れた後もなお、相手の生活習慣という『亡霊』に無意識のまま支配され続けている男の平熱の独白」。あえて裏声を完全に封印し、マティ・ヒーリー(The 1975)を彷彿とさせるぶっきらぼうで哀愁を帯びた会話調のボーカルは、ピッチ補正を頑なに拒絶。フレーズの節々から生々しい呼吸のノイズがそのまま漏れ出します。サビでのみ低域で密かに持続するシンセパッドが過激な引き算を経て、最後はフェードアウトを真っ向から拒絶し、リフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。