Lyric

不安定な足場じゃ

浮かされた頭じゃ

撃ち抜けるはずがなかった

ひび割れた僕のスコープじゃ

見えやしないんだろう？

痺れが残る掌で涙を掬った

鼓動が残る心臓には空虚が巣食った

そんなにあの星が欲しいなら

君など焼かれて尽きてしまえよ

一等星と絡めた指先から

灰になればいいさ

君の心を撃ち抜きたかった銃は

ついに照準の合わぬまま

声と引き換えの銃は

リコイルだけが大きくて

スコープ越しの君は平和な頭で

望遠鏡を覗くだけ

セイレーンに、なりたかった

清廉なままじゃなくたってよかった

心変わりを笑い飛ばしたのも

あっけない戯言だった

のぼせた約束などいらなかった

まだ付き纏う出来損ないの感情

取り残された僕は

ピアノの海でただ叫ぶ

無邪気に笑う君のためになど

泡沫になって消えたりはしない

残弾のない銃は海に沈めた

せめて僕の歌を星屑に変えて

あの夜空を彩るんだ

浮かれた二人を照らしてやるのさ

どうか幸せに

皮肉な祝福を

さようなら