沈黙のリューズのジャケット写真

歌詞

沈黙のリューズ

Akemi

ねじを摘んで 一回し巻く

製図台の灯り 背中で揺れた

文字盤の針が 夜半を指して

金曜の影 あなたがうなずく

「明日は早いね」と あなたが微笑う

蛍光の針を 見上げる夜半

カチッと針が刻む 二人の夜

ねじの熱 指先に残る

「次は」の三音が 喉で止まった

半ば巻いたリューズ 指が止まる

もう一回 進めれば朝が鳴る

進めない方を 指が選んだ

枕元に伏せる 緑の針

寝息が重くなる 確かな隣

鳴らない朝を 既に選んだ手が

鍵はかけずに 三和土に靴を

巻けば朝が鳴る 巻かねば鳴らない

予定の表に 名前は貼らせない

「次は」の三音は 戻さずに置く

ねじから指を離す それが今夜

半ば巻いたリューズ 枕に伏せた

鳴らない方を 指は決めていた

青焼きの匂い 製図台の影

暗がりに膝を折る 靴を寄せる

「もう来ない」と 口に出さずに

鳴らない鈴音(リリーン)を 枕に残す

菊坂を下る 白山通りへ

振り向かないで 角を曲げてゆく

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

沈黙のリューズのジャケット写真

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    沈黙のリューズ

    Akemi

「沈黙のリューズ」は、結婚を匂わせた一言に身体が静かに拒んだ夜、巻きかけの目覚まし時計を巻かないまま部屋を後にする決定的な亀裂を描いたミディアムテンポのシティポップ。
本郷の古いアパート、製図台の灯り、半ば巻いたリューズ、緑の蛍光針、そして枕元に伏せた目覚まし時計――「次は」と言いかけられた三音が宙に残ったままの部屋で、言葉ではなく動作で告げる別れの輪郭を静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、相手の予定表に名前を貼られることを身体が先に拒みながらも、その選択を声にせず、ねじを巻かないという仕草だけで完結させる大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、機械式時計の物理性、声にならない別れの距離感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

鳴らない朝を残して鍵をかけずに玄関を出る、その一連の動作だけが彼への返事になる。
菊坂を下り、白山通りへ角を曲げてゆく足どりに、声を上げずに引き返さないと決めた大人の決断が宿る――そんな成熟した別れを描いた楽曲。

Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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