

いつか壊れた街灯の下で
声にならない嘆きを抱えた夜
沈むように眠る自分と
どうしようもなく浮き上がりたい自分が
絶え間なく衝突している
右手には消えかけの光
左手には消し去りたい現実
絡み合う視界の奥で
“もういいんじゃない”と囁く影が
私を綱引きの真ん中に立たせる
渇ききった希望の種が
ひび割れた大地を染み渡るように
ゆっくりと、しかし確かに
秘密の芽を宿す瞬間がある
「終わりにしてしまえ」と叫ぶ心と
「ここで終われない」と足掻く魂が
同じ胸の中で渦を巻いている
この曖昧な現実は夜の底
けれど、どこか遠くかすかに灯る
そこへ伸ばした指先が見つけたのは
かろうじて息をしている
わずかな希望の輪郭
信じたものが幻なら
信じなかったものは何だったのか
突きつけられた矛盾の答えを
誰も持たない
だからこそ探し続けてしまう
ほつれた糸を結び直すたび
ほどける音が耳に残る
けれどその繰り返しの先に
見えない色があると信じたい
何度も立ち止まる鼓動に
罅割れた祈りを与えながら
失くしそうで失えない
その理由さえ
名付けることができないまま
生まれ変わる夜明けを待ちわびながら
「このまま沈んでいくのか」と問う声と
「いつかは浮上するはずだ」と問う声
同時に鳴り響く残響の底で
それでも背中を押してくれた微かな風
目を凝らせば瞳に映る景色が
確かに歪んだままで
それでもここから
歩き出す自分がいる
闇の中、かすかに笑う月の裏に
見えない翼を広げる
この胸に刻まれた痛みと共に
まだ名もない朝を呼び起こすために
闇の中、かすかに笑う月の裏に
見えない翼を広げる
この胸に刻まれた痛みと共に
まだ名もない朝を呼び起こすために
- 作詞者
ちぇっくのりんごのじゅーす
- 作曲者
ちぇっくのりんごのじゅーす
- プロデューサー
ちぇっくのりんごのじゅーす
- ボーカル
ちぇっくのりんごのじゅーす
- ソングライター
ちぇっくのりんごのじゅーす

ちぇっくのりんごのじゅーす の“深淵を呼吸する”を
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深淵を呼吸する
ちぇっくのりんごのじゅーす
“どうしても終わらせたくなる夜”と“それでも生き抜きたい朝”が、同じ心の中でせめぎ合う——
「深淵を呼吸する」は、絶望の深淵へ沈み込みながらも、あくまで希望を手放さない人間の姿を、象徴的なイメージと言葉で描いた作品です。
壊れた街灯やひび割れた大地といった荒涼としたモチーフが、苦しみの只中で途切れそうな呼吸を象徴し、耳を澄ませば聞こえてくるような“残響”が心の奥底を揺さぶります。
しかし、それらは単なる暗喩に留まらず、“希望の種”や“わずかな芽生え”を隠し持ち、視界の隅で微かに光を放ち続けています。
タイトルの「深淵を呼吸する」が示すように、たとえ深い闇に包まれても、なお息づく意志を見失わない――。
一読しただけでは掴みきれない多層的なメタファーを織り込むことで、聞き手・読み手が何度も立ち返り、新たな解釈を見いだせるよう緻密に作り上げられた一曲です。
希望と絶望が同時に存在するその境界で、あなたはどんな息を、どんな光を感じ取るでしょうか。
アーティスト情報
ちぇっくのりんごのじゅーす
ちぇっくのりんごのじゅーすは、独自の世界観を持つシンガーソングライター / ユニット。日常の何気ない瞬間を切り取り、スマホ越しの景色や夜の孤独、青春の甘酸っぱさを繊細な言葉とメロディで表現する。楽曲はポップでありながら、エレクトロやオルタナティブの要素も取り入れ、多層的なサウンドを生み出している。 SNS時代に共感を呼ぶリリックと、どこか懐かしくも新しいメロディが特徴。TikTokやYouTubeを中心に楽曲を発表し、デジタル世代の心を掴んでいる。
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