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2025年にリリースした『Cassette Gadget 1」、カセットテープに収めていた音源をデジタル化したシリーズだが、今回のリリースはその拡大版である。不要な曲を削り、新たに6曲を追加した。
1983年にバイト先の楽器店で営業時間外にコツコツと録音した4曲(『Walking Tempo』と名づけた)は音質が劣化しており、リリースの断念も考えたが、これも記録だと割りきることにした。
中盤の4曲は1984年に世田谷区代沢のアパートで録音した。華やかなシモキタで、孤独にさいなまれながら音楽をつくり続けた。その証拠にテープのラベルには『世界中に失恋』と題されている。
後半の4曲は1985年に録音した。デジタル特有の硬い音質が、当時の流行を反映している。
そしてさかのぼるが、冒頭の2曲が初出となる。1982年に熊本へ帰郷したときにピアノと歌の一発どりで録音したものだ。
おそらく多くの人が、この14曲を聞きづらく感じるだろう。歌詞は未熟で、演奏はミスだらけだし、音程も怪しげだ。私自身もあまり心地よくは聞けない。けれども岩下啓亮の音楽史を語るにおいて、欠かすことのできない資料だとと思う。
鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約170曲あります。これらを2024年から2025年にかけて時系列的にまとめたアルバムを順次リリースしました。そして2026年は楽曲の重要度やリスナーの好みに基づいたベストアルバムをいくつかリリースする予定です。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。