

歌詞
CARNIVAL
Stag Beat, molphobia
ハナから目覚めてる目と目
手と手 取り合って次の獲物へ?
どこへ行ったっていつものことです
特別なもんじゃないこの毒舌
無い頭振って考えてみろ
ナイアガラばりに垂れ流す思考
回路はショート寸前のiPhone
まるで半減期 終わらない廃炉
High と low left right
その分断は埋められそうもない
しょうもない ネタばっか無い物ねだり
燃やすと分泌されるアドレナリン
液晶のなか飛沫飛ばして踊る
阿呆に見る阿呆か ことごとく
御託 並べてるお前も
ボヤッとしてると飲み込まれちまうぞ
表面を照らし出すLights
相互監視するCamera
サステナブルではないAction
CARNIVALから抜け出せぬ悪所
裏通り照らし出すLights
そこら中 偏在するCamera
指先だけでつながるAction
蔓延るVirusに鳴らすクラクション
煽り立てられてるAかB
『ゼイリブ』よりタチが悪いOBEY
しかもそれを「どこの誰?」
くらいの奴らが喜んで増幅する
洞窟のなかでかかるEcho
あとは隠しきれてないEgo
セコい思惑が跋扈する
自分たちのこと棚上げてスルー
And a LOOP 結局くり返すヒストリー
すぐに集団で乱舞してヒステリー
椅子取りゲームだけには必死
Tribe みたく訊く「Can I Kick It?」
(Yes, you can ! ) 早く正気に戻ろう
カルトじみてるハリボテのモノローグ
本当は全部マーケティング?
でも掻い潜るぞ ポスト・パンデミック
表面を照らし出すLights
相互監視するCamera
サステナブルではないAction
CARNIVALから抜け出せぬ悪所
裏通り照らし出すLights
そこら中 偏在するCamera
指先だけでつながるAction
蔓延るVirusに鳴らすクラクション
飛び交う陰謀とかフェイク
錆びついてるシーソーゲーム
加速してもかからないセーヴ
ほら またひとりエスケープ
世直し気取りの三面記事
手のひら返しのアイデンティティ
最低の日々 ウロついた 忘れもしない
真夜中の Silent City
大抵意味もないようなチープなビジョン
動員のための陳腐なパビリオン (Say what?)
二枚舌 吐くワンフレーズ
よりずっとリアルにやるアップデート
表面を照らし出すLights
相互監視するCamera
サステナブルではないAction
CARNIVALから抜け出せぬ悪所
裏通り照らし出すLights
そこら中 偏在するCamera
指先だけでつながるAction
蔓延るVirusに鳴らすクラクション
- 作詞者
DOPE MEN
- 作曲者
molphobia
- プロデューサー
Stag Beat
- ラップ
DOPE MEN
- プログラミング
molphobia

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Hibernation
Stag Beat, molphobia
- 1
statement
Stag Beat, molphobia
- 2
Hibernation
Stag Beat, molphobia
- ⚫︎
CARNIVAL
Stag Beat, molphobia
- 4
野火 (feat. SIGEMARU)
Stag Beat, molphobia
- 5
Non-Alcohol
Stag Beat, molphobia
- 6
プロ仕草 (feat. 山口兄弟)
Stag Beat, molphobia
- 7
宇宙元年
Stag Beat, molphobia
- 8
残党 (feat. INATA)
Stag Beat, molphobia
- 9
マイクの視点 (feat. MA$A$HI)
Stag Beat, molphobia
- 10
Backyard
Stag Beat, molphobia
- 11
Attitude
Stag Beat, molphobia
Stag Beatの2nd『Hibernation』は10年ぶりのフルアルバムである。Stag BeatはラッパーのDOPE MENとビートメイカーのmolphobiaによる2人組のヒップホップユニット。かつて渋谷に存在したアート系シェアハウス「渋家」で2012年に結成した。
この10年のあいだ、Stag Beatとして都内でのライブは継続しながらも、DOPE MEN(中島晴矢)は現代アーティストや文筆家として展覧会や書籍の出版を、molphobiaはビートメイカーとしてソロアルバムを何枚もリリースしてきた。そのため、2人でタッグを組む仕事は前作の1stアルバム『From Insect Cage』に加え、2018年にリリースしたシングル「Scrap, Run & Build」ぶりとなる。結果として、全11曲からなる渾身のフルアルバムが仕上がった。今回立ち上げられた自主レーベル「KUNUGI RECORDS」からドロップされる。
アルバムタイトルの『Hibernation』は、日本語にすれば「冬眠」や「越冬」を意味する。そもそもユニット名からクワガタムシ(Stag beetle)と掛けているように、雑木林に潜む夜行性の昆虫をメタファーに用いてきたStag Beat。前作「From Insect Cage」が「虫カゴから」飛び立つことを示唆していたのだとしたら、今作は、森の中で10年間「冬ごもり」しながら制作を続けてきた2人が、ようやく納得できる新作を携えて初夏の夜空に飛び立つさまをイメージしている。表題曲「Hibernation」のトラックやリリックもそうしたモチーフで作り上げられた。
冒頭からアルバムのコンセプトを宣言する「statement」に始まり、ダーティなトラックの上で昨今の社会状況に批評的な介入を試みる「CARNIVAL」、アルコール依存症に陥り断酒することになる顛末をトラップビートに乗せてラップする「Non-Alcohol」、自分たちのスタンスを最後に改めて明示する「Attitude」など、molphobiaのトラックにDOPE MENのラップという形式がアルバムの軸を貫いている。
さらに、アルバムを通して計4組のラッパーがfeaturingとして参加。3MCユニット「MGF」のメンバーであり、P-VINEに所属して楽曲をリリースしてきたSIGEMARU、都内のクラブシーンで精力的に活動する2人組・山口兄弟、沖縄を拠点に美術や舞踏とラップの越境を実践するINATA、そして「8th wonder」のラッパー/ビートメイカーとしてキャリアをスタートし、現在はヒップホップ・コレクティヴ「口頭遊民ダコタ」を主宰する傍ら、批評家として『ラップは何を映しているのか』『アンビバレント・ヒップホップ』などを刊行してきたMA$A$HI(吉田雅史)という、アクの強い魅力的なアーティストたちが集結した。各ラッパーの持ち味がふんだんに活かされた楽曲群は、本作の大きな聴きどころになっている。また、終盤のセンチメンタルで浮遊感ただようトラックが印象的な「Backyard」では、アルバムで唯一molphobiaがラップで参加。DOPE MENとmolphobiaがそれぞれの地元への郷愁を歌い、Stag Beatの根底に流れるスタイルや音楽性を象徴する一曲となった。
アルバム全曲のミックスとマスタリングを引き受けたのは、Maltine Recordsに所属する気鋭のミュージシャン/DJである芳川ヨシノ。ジャケットのアートワークは写真家の石田祐規、「Stag Beat」「Hibernation」のロゴ・レタリングはアーティストのDEMI、ミュージックビデオのディレクターは映像作家の大口遼が担った。アーティスト写真を撮影したのは昭和40年会を率いる現代美術家で写真家の松蔭浩之だ。クリエイティブのメンバーに共通する文脈として「渋家」での交流が挙げられる。ちなみに「statement」のミュージックビデオのロケ地となっているのも、過去に「渋家」が立地していた池尻大橋から渋谷、恵比寿にかけてのエリアだ。
このような経緯と布陣で臨む本作は、Stag Beatによる全身全霊のフルアルバムになっている。この10年間の集大成に、ぜひ少しでも耳を傾けてほしい。

