

歌詞
宇宙元年
Stag Beat, molphobia
毎週末襲来 日曜 hype
Like ウィークエンド・ダディ ill な奴
馬鹿でかいアメ車に両手いっぱいのフランスパン
ばりの極太ジョイントひっさげて参上
一本目 ニ本目に火を点ける 三四がなくて五本目に火を点ける
たっぷりと肺に溜める 吐きながら宣う「お茶もヤッてる」
まごうことなき二児の父
パンプアップされた左と右の乳
タフなフィジカル 駆使し生き延びる
日がな一日chillして日が落ちる
トラック転がすマイルドヤンキー
From 千葉 千葉 ハードジャンキー
中古車 転売 引き渡し日に故障
曰く 挿入 直前に漏らすウ︎コ
平成天皇退位後の年号 宇宙元年
明治大正昭和平成の (Next!) 宇宙元年
平成天皇退位後の年号 宇宙元年
明治大正昭和平成の next!
脳裏かすめるTeenagerの末期
空前の脱法ハーブ全盛期
ただのリーフに香りをまぶしたものだと言い張りアナ部屋で蔓延
実態は劣悪なケミカル
やがて吸える代物じゃなくなる
最終的にはハートアタック!により
全国で多くの人が亡くなる
その頃 爆音 かけるレディガガ
2ケツ ride on da ビッグスクーター
ホスト明け in カラオケ
From 歌舞伎町 to 二丁目女装バー
いまや巷 最恐の恐妻家
大穴狙う 競艇のギャンブラー
シャコタンで鎮座する様 DOPE
完全に理解する「自動車昆虫」
平成天皇退位後の年号 宇宙元年
明治大正昭和平成の (Next!) 宇宙元年
平成天皇退位後の年号 宇宙元年
明治大正昭和平成の next!
消息 途絶えて早何年?
奴に限って まさか早まって……
ってことはないと信じてるが
風の噂に聞いた「ドヤ街で見た」って
ドヤ顔で回してたロクロ
「食ってみな? 宇宙まで飛ぶぞ!」
グレーな詐欺師 半グレの兄貴
宇宙から令和 迷い込む迷宮
平成天皇退位後の年号 宇宙元年
明治大正昭和平成の (Next!) 宇宙元年
平成天皇退位後の年号 宇宙元年
明治大正昭和平成の next!
- 作詞者
DOPE MEN
- 作曲者
molphobia
- プロデューサー
Stag Beat
- ラップ
DOPE MEN
- プログラミング
molphobia

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Hibernation
Stag Beat, molphobia
- 1
statement
Stag Beat, molphobia
- 2
Hibernation
Stag Beat, molphobia
- 3
CARNIVAL
Stag Beat, molphobia
- 4
野火 (feat. SIGEMARU)
Stag Beat, molphobia
- 5
Non-Alcohol
Stag Beat, molphobia
- 6
プロ仕草 (feat. 山口兄弟)
Stag Beat, molphobia
- ⚫︎
宇宙元年
Stag Beat, molphobia
- 8
残党 (feat. INATA)
Stag Beat, molphobia
- 9
マイクの視点 (feat. MA$A$HI)
Stag Beat, molphobia
- 10
Backyard
Stag Beat, molphobia
- 11
Attitude
Stag Beat, molphobia
Stag Beatの2nd『Hibernation』は10年ぶりのフルアルバムである。Stag BeatはラッパーのDOPE MENとビートメイカーのmolphobiaによる2人組のヒップホップユニット。かつて渋谷に存在したアート系シェアハウス「渋家」で2012年に結成した。
この10年のあいだ、Stag Beatとして都内でのライブは継続しながらも、DOPE MEN(中島晴矢)は現代アーティストや文筆家として展覧会や書籍の出版を、molphobiaはビートメイカーとしてソロアルバムを何枚もリリースしてきた。そのため、2人でタッグを組む仕事は前作の1stアルバム『From Insect Cage』に加え、2018年にリリースしたシングル「Scrap, Run & Build」ぶりとなる。結果として、全11曲からなる渾身のフルアルバムが仕上がった。今回立ち上げられた自主レーベル「KUNUGI RECORDS」からドロップされる。
アルバムタイトルの『Hibernation』は、日本語にすれば「冬眠」や「越冬」を意味する。そもそもユニット名からクワガタムシ(Stag beetle)と掛けているように、雑木林に潜む夜行性の昆虫をメタファーに用いてきたStag Beat。前作「From Insect Cage」が「虫カゴから」飛び立つことを示唆していたのだとしたら、今作は、森の中で10年間「冬ごもり」しながら制作を続けてきた2人が、ようやく納得できる新作を携えて初夏の夜空に飛び立つさまをイメージしている。表題曲「Hibernation」のトラックやリリックもそうしたモチーフで作り上げられた。
冒頭からアルバムのコンセプトを宣言する「statement」に始まり、ダーティなトラックの上で昨今の社会状況に批評的な介入を試みる「CARNIVAL」、アルコール依存症に陥り断酒することになる顛末をトラップビートに乗せてラップする「Non-Alcohol」、自分たちのスタンスを最後に改めて明示する「Attitude」など、molphobiaのトラックにDOPE MENのラップという形式がアルバムの軸を貫いている。
さらに、アルバムを通して計4組のラッパーがfeaturingとして参加。3MCユニット「MGF」のメンバーであり、P-VINEに所属して楽曲をリリースしてきたSIGEMARU、都内のクラブシーンで精力的に活動する2人組・山口兄弟、沖縄を拠点に美術や舞踏とラップの越境を実践するINATA、そして「8th wonder」のラッパー/ビートメイカーとしてキャリアをスタートし、現在はヒップホップ・コレクティヴ「口頭遊民ダコタ」を主宰する傍ら、批評家として『ラップは何を映しているのか』『アンビバレント・ヒップホップ』などを刊行してきたMA$A$HI(吉田雅史)という、アクの強い魅力的なアーティストたちが集結した。各ラッパーの持ち味がふんだんに活かされた楽曲群は、本作の大きな聴きどころになっている。また、終盤のセンチメンタルで浮遊感ただようトラックが印象的な「Backyard」では、アルバムで唯一molphobiaがラップで参加。DOPE MENとmolphobiaがそれぞれの地元への郷愁を歌い、Stag Beatの根底に流れるスタイルや音楽性を象徴する一曲となった。
アルバム全曲のミックスとマスタリングを引き受けたのは、Maltine Recordsに所属する気鋭のミュージシャン/DJである芳川ヨシノ。ジャケットのアートワークは写真家の石田祐規、「Stag Beat」「Hibernation」のロゴ・レタリングはアーティストのDEMI、ミュージックビデオのディレクターは映像作家の大口遼が担った。アーティスト写真を撮影したのは昭和40年会を率いる現代美術家で写真家の松蔭浩之だ。クリエイティブのメンバーに共通する文脈として「渋家」での交流が挙げられる。ちなみに「statement」のミュージックビデオのロケ地となっているのも、過去に「渋家」が立地していた池尻大橋から渋谷、恵比寿にかけてのエリアだ。
このような経緯と布陣で臨む本作は、Stag Beatによる全身全霊のフルアルバムになっている。この10年間の集大成に、ぜひ少しでも耳を傾けてほしい。

