Hibernationのジャケット写真

歌詞

マイクの視点 (feat. MA$A$HI)

Stag Beat, molphobia

Beats ベロ 様々なるSteelo

ディスプレイ上のポレミカル・ゲットー

半世紀前 Author is dead でも

誰かが綴ったペン書きのメモ

I my me and myself

曖昧な日本の私です

語り / 語られる際 孕むズレ

「くたばってしめぇ!」売り捌く贋金

横道にリーチする第五人称

蛸壺の内外 逍遥 動揺

自分が自分であること疑う

発見された風景も塞がる

群がる 蠅の目のcamera

逆さまに映し出される Phenomenon

明暗 分ける饒舌

20年代 純粋な16小節

語るそばから零れ落ちるリアル

言葉が己の輪郭をなぞる

主客転倒 ゆらぐ自意識の機械

照準 合わせる マイクの視点

語るそばから溶け出してくリアル

言葉がお前の輪郭をなぞる

自他の境界 またぐ自同律の不快

照準 合わせる マイクの視点

視点ってキックしてたらすでに2025

重度ゼノンのパラドックスをロックする

週五の労働の彼方

結局時間って奴は存在するのyou know?

意識の流れ水晶幻想

黙読する文字禍

音楽的演奏が溢れ出しちまったのがラップ

Clap your 無意識

連想の勉強

自動記述 タラップ駆け上がり

クラっと乗り込む 神飛行機の視点はNG?

移人称が呼び込むSE

Speculative Effect

空からの委任状 let’s read

作者の遺灰蒔かれるトポス灯す

豊穣の海へ逃亡す

逃走の罪を食すソドム

あれから百二十年

荒城の月のロゴス

語るそばから零れ落ちるリアル

言葉が己の輪郭をなぞる

主客転倒 ゆらぐ自意識の機械

照準 合わせる マイクの視点

語るそばから溶け出してくリアル

言葉がお前の輪郭をなぞる

自他の境界 またぐ自同律の不快

照準 合わせる マイクの視点

時間 空間 自在に徘徊

まるでアボリジニが視るDREAMTIME

アモルフに偏在してHands up!

過去・現在・未来 串刺しのマイク

反転させてくパースペクティブ

DOPE MEN × MA$A$HI バース・レスリング

意匠と現象の炎症

辺境の紋章 日本語ラップのハード・コア

文芸ナード・コア

語り手をね粉飾し

煙に巻く手練

ワードとは?

メタ視点の衣擦れ

作中作の群れ

マトリョーシカ纏う記憶のズレ

もうあと今日しかない

現在形抜き去るタイミング

Fahrenheit 451で

燃え尽きないライミング

珠玉の短編のアイディアを

リャンメンで待つ二人の俳人

語るそばから零れ落ちるリアル

言葉が己の輪郭をなぞる

主客転倒 ゆらぐ自意識の機械

照準 合わせる マイクの視点

語るそばから溶け出してくリアル

言葉がお前の輪郭をなぞる

自他の境界 またぐ自同律の不快

照準 合わせる マイクの視点

  • 作詞者

    DOPE MEN, MA$A$HI

  • 作曲者

    molphobia

  • プロデューサー

    Stag Beat

  • ラップ

    DOPE MEN, MA$A$HI

  • プログラミング

    molphobia

Hibernationのジャケット写真

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Hibernation

Stag Beat, molphobia

Stag Beatの2nd『Hibernation』は10年ぶりのフルアルバムである。Stag BeatはラッパーのDOPE MENとビートメイカーのmolphobiaによる2人組のヒップホップユニット。かつて渋谷に存在したアート系シェアハウス「渋家」で2012年に結成した。

この10年のあいだ、Stag Beatとして都内でのライブは継続しながらも、DOPE MEN(中島晴矢)は現代アーティストや文筆家として展覧会や書籍の出版を、molphobiaはビートメイカーとしてソロアルバムを何枚もリリースしてきた。そのため、2人でタッグを組む仕事は前作の1stアルバム『From Insect Cage』に加え、2018年にリリースしたシングル「Scrap, Run & Build」ぶりとなる。結果として、全11曲からなる渾身のフルアルバムが仕上がった。今回立ち上げられた自主レーベル「KUNUGI RECORDS」からドロップされる。

アルバムタイトルの『Hibernation』は、日本語にすれば「冬眠」や「越冬」を意味する。そもそもユニット名からクワガタムシ(Stag beetle)と掛けているように、雑木林に潜む夜行性の昆虫をメタファーに用いてきたStag Beat。前作「From Insect Cage」が「虫カゴから」飛び立つことを示唆していたのだとしたら、今作は、森の中で10年間「冬ごもり」しながら制作を続けてきた2人が、ようやく納得できる新作を携えて初夏の夜空に飛び立つさまをイメージしている。表題曲「Hibernation」のトラックやリリックもそうしたモチーフで作り上げられた。

冒頭からアルバムのコンセプトを宣言する「statement」に始まり、ダーティなトラックの上で昨今の社会状況に批評的な介入を試みる「CARNIVAL」、アルコール依存症に陥り断酒することになる顛末をトラップビートに乗せてラップする「Non-Alcohol」、自分たちのスタンスを最後に改めて明示する「Attitude」など、molphobiaのトラックにDOPE MENのラップという形式がアルバムの軸を貫いている。

さらに、アルバムを通して計4組のラッパーがfeaturingとして参加。3MCユニット「MGF」のメンバーであり、P-VINEに所属して楽曲をリリースしてきたSIGEMARU、都内のクラブシーンで精力的に活動する2人組・山口兄弟、沖縄を拠点に美術や舞踏とラップの越境を実践するINATA、そして「8th wonder」のラッパー/ビートメイカーとしてキャリアをスタートし、現在はヒップホップ・コレクティヴ「口頭遊民ダコタ」を主宰する傍ら、批評家として『ラップは何を映しているのか』『アンビバレント・ヒップホップ』などを刊行してきたMA$A$HI(吉田雅史)という、アクの強い魅力的なアーティストたちが集結した。各ラッパーの持ち味がふんだんに活かされた楽曲群は、本作の大きな聴きどころになっている。また、終盤のセンチメンタルで浮遊感ただようトラックが印象的な「Backyard」では、アルバムで唯一molphobiaがラップで参加。DOPE MENとmolphobiaがそれぞれの地元への郷愁を歌い、Stag Beatの根底に流れるスタイルや音楽性を象徴する一曲となった。

アルバム全曲のミックスとマスタリングを引き受けたのは、Maltine Recordsに所属する気鋭のミュージシャン/DJである芳川ヨシノ。ジャケットのアートワークは写真家の石田祐規、「Stag Beat」「Hibernation」のロゴ・レタリングはアーティストのDEMI、ミュージックビデオのディレクターは映像作家の大口遼が担った。アーティスト写真を撮影したのは昭和40年会を率いる現代美術家で写真家の松蔭浩之だ。クリエイティブのメンバーに共通する文脈として「渋家」での交流が挙げられる。ちなみに「statement」のミュージックビデオのロケ地となっているのも、過去に「渋家」が立地していた池尻大橋から渋谷、恵比寿にかけてのエリアだ。

このような経緯と布陣で臨む本作は、Stag Beatによる全身全霊のフルアルバムになっている。この10年間の集大成に、ぜひ少しでも耳を傾けてほしい。

アーティスト情報

KUNUGI RECORDS

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