

歌詞
Backyard
Stag Beat, molphobia
丘の上 どこを見ても同じような顔ぶれ
ケーキみたく箱の中で演じられる戯れ
笹舟が流れてった中川のせせらぎ
薄っぺらな景色とrootsのせめぎ合い
憂鬱なサバービア 塾帰りのバーミヤン
ここではないどこか空想し手伸ばした
たしかに掠めたオレンジ色の街灯
耳をすます こぼれる音 記憶の残像
三叉路を越えて下る ゆるやかな坂道
作りものめいてるけど生きられてる毎日
北から南まで 行ったり来たり
あのショッピング・センターから探したみらい
ブルーラインと田都 乗り継いだ放課後
まぼろしの郊外でも俺たちの教科書
イルミネーションが煌めいて乱反射
モールの屋上でいつも回る観覧車
誰も肚の底に据えたそれぞれのHood
ありきたりな故郷でも貫かれた風土
頭よぎる ふっと 忘れかけのパスワード
鍵を外し手招き Straight Outta Backyard
誰も肚の底に据えたそれぞれのHood
ありきたりな故郷でも貫かれた風土
頭よぎる ふっと 忘れかけのパスワード
鍵を外し手招き Straight Outta Backyard
跨るカマハン ケツ上げたチャリ
NewEra 被って引き擦るバギー
削れたKicksで踏むペダル
パチモン着込み流す気怠く
2ケツで抜ける交差する4号
前カゴ積んだボロのコンポ
人気無い駅で鳴らすMixTape
きつく結ぶヨレたシューレース
ただのガキの遊びがRoots
摩耗するSole タイルタグ打つ
身振りfashion独自のLanguage
校外学習 Street Knowledge
パイセンの車でMaryJane
イキってDown青い経験
Memory Lane あれは15の夜
記憶辿り16をBOMB
誰も肚の底に据えたそれぞれのHood
ありきたりな故郷でも貫かれた風土
頭よぎる ふっと 忘れかけのパスワード
鍵を外し手招き Straight Outta Backyard
誰も肚の底に据えたそれぞれのHood
ありきたりな故郷でも貫かれた風土
頭よぎる ふっと 忘れかけのパスワード
鍵を外し手招き Straight Outta Backyard
愛憎のニュータウン 綻びのない空間
切り裂こうとロードサイド 撃ち込まれた銃弾
まるで絨毯のように舗装されたflatな地の果て
の先でカケラ拾い集め胸に宿す死ぬまで
あくまでも寄る辺ない裏庭の入口
根無し草で紡ぎ上げた裏山の秘密基地
どこにだってある けどたった一つの地元
マージナルに交わる 街と街を紐解く
脳裏焼きついた深夜のShowCase
褪せず未だ想起する情景
破れたフライヤーのNameTag
当時の衝動が今も目覚ます
Saitama DownTown TOKYO
道中受けた数々の影響
ビート上綴る愛郷
This is Me この曲が根拠
誰も肚の底に据えたそれぞれのHood
ありきたりな故郷でも貫かれた風土
頭よぎる ふっと 忘れかけのパスワード
鍵を外し手招き Straight Outta Backyard
誰も肚の底に据えたそれぞれのHood
ありきたりな故郷でも貫かれた風土
頭よぎる ふっと 忘れかけのパスワード
鍵を外し手招き Straight Outta Backyard
- 作詞者
DOPE MEN, molphobia
- 作曲者
molphobia
- プロデューサー
Stag Beat
- ラップ
DOPE MEN, molphobia
- プログラミング
molphobia

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Hibernation
Stag Beat, molphobia
- 1
statement
Stag Beat, molphobia
- 2
Hibernation
Stag Beat, molphobia
- 3
CARNIVAL
Stag Beat, molphobia
- 4
野火 (feat. SIGEMARU)
Stag Beat, molphobia
- 5
Non-Alcohol
Stag Beat, molphobia
- 6
プロ仕草 (feat. 山口兄弟)
Stag Beat, molphobia
- 7
宇宙元年
Stag Beat, molphobia
- 8
残党 (feat. INATA)
Stag Beat, molphobia
- 9
マイクの視点 (feat. MA$A$HI)
Stag Beat, molphobia
- ⚫︎
Backyard
Stag Beat, molphobia
- 11
Attitude
Stag Beat, molphobia
Stag Beatの2nd『Hibernation』は10年ぶりのフルアルバムである。Stag BeatはラッパーのDOPE MENとビートメイカーのmolphobiaによる2人組のヒップホップユニット。かつて渋谷に存在したアート系シェアハウス「渋家」で2012年に結成した。
この10年のあいだ、Stag Beatとして都内でのライブは継続しながらも、DOPE MEN(中島晴矢)は現代アーティストや文筆家として展覧会や書籍の出版を、molphobiaはビートメイカーとしてソロアルバムを何枚もリリースしてきた。そのため、2人でタッグを組む仕事は前作の1stアルバム『From Insect Cage』に加え、2018年にリリースしたシングル「Scrap, Run & Build」ぶりとなる。結果として、全11曲からなる渾身のフルアルバムが仕上がった。今回立ち上げられた自主レーベル「KUNUGI RECORDS」からドロップされる。
アルバムタイトルの『Hibernation』は、日本語にすれば「冬眠」や「越冬」を意味する。そもそもユニット名からクワガタムシ(Stag beetle)と掛けているように、雑木林に潜む夜行性の昆虫をメタファーに用いてきたStag Beat。前作「From Insect Cage」が「虫カゴから」飛び立つことを示唆していたのだとしたら、今作は、森の中で10年間「冬ごもり」しながら制作を続けてきた2人が、ようやく納得できる新作を携えて初夏の夜空に飛び立つさまをイメージしている。表題曲「Hibernation」のトラックやリリックもそうしたモチーフで作り上げられた。
冒頭からアルバムのコンセプトを宣言する「statement」に始まり、ダーティなトラックの上で昨今の社会状況に批評的な介入を試みる「CARNIVAL」、アルコール依存症に陥り断酒することになる顛末をトラップビートに乗せてラップする「Non-Alcohol」、自分たちのスタンスを最後に改めて明示する「Attitude」など、molphobiaのトラックにDOPE MENのラップという形式がアルバムの軸を貫いている。
さらに、アルバムを通して計4組のラッパーがfeaturingとして参加。3MCユニット「MGF」のメンバーであり、P-VINEに所属して楽曲をリリースしてきたSIGEMARU、都内のクラブシーンで精力的に活動する2人組・山口兄弟、沖縄を拠点に美術や舞踏とラップの越境を実践するINATA、そして「8th wonder」のラッパー/ビートメイカーとしてキャリアをスタートし、現在はヒップホップ・コレクティヴ「口頭遊民ダコタ」を主宰する傍ら、批評家として『ラップは何を映しているのか』『アンビバレント・ヒップホップ』などを刊行してきたMA$A$HI(吉田雅史)という、アクの強い魅力的なアーティストたちが集結した。各ラッパーの持ち味がふんだんに活かされた楽曲群は、本作の大きな聴きどころになっている。また、終盤のセンチメンタルで浮遊感ただようトラックが印象的な「Backyard」では、アルバムで唯一molphobiaがラップで参加。DOPE MENとmolphobiaがそれぞれの地元への郷愁を歌い、Stag Beatの根底に流れるスタイルや音楽性を象徴する一曲となった。
アルバム全曲のミックスとマスタリングを引き受けたのは、Maltine Recordsに所属する気鋭のミュージシャン/DJである芳川ヨシノ。ジャケットのアートワークは写真家の石田祐規、「Stag Beat」「Hibernation」のロゴ・レタリングはアーティストのDEMI、ミュージックビデオのディレクターは映像作家の大口遼が担った。アーティスト写真を撮影したのは昭和40年会を率いる現代美術家で写真家の松蔭浩之だ。クリエイティブのメンバーに共通する文脈として「渋家」での交流が挙げられる。ちなみに「statement」のミュージックビデオのロケ地となっているのも、過去に「渋家」が立地していた池尻大橋から渋谷、恵比寿にかけてのエリアだ。
このような経緯と布陣で臨む本作は、Stag Beatによる全身全霊のフルアルバムになっている。この10年間の集大成に、ぜひ少しでも耳を傾けてほしい。

