

静かなる 海
月 ひとつ
遅き 風が
すべてを 知らす
長き 得物は 空を斬り
燕のごとく 風を裂く
ひとたび 振れば
還り来る こと なしと
信じて おった
風の 流れも
読み切ったはず
この 一瞬に
すべてを 賭けて
ひらり ひらり
ひら ひらり
燕は 還らず
還らず 還らず
ひらり ひらり
この 一撃
もう 還らず
還らず
待つほどに
時は 流れ
心の 内に
影が 差す
遅きは 相手か
それとも 我か
答えは まだ
知らぬまま
潮の 香りが
胸を 刺す
息の 熱さが
やけに 近い
あと 一歩
踏み込めば
何かが
壊れる 音がする
ひらり ひらり
ひら ひらり
燕は 還らず
還らず 還らず
ひらり ひらり
この 一撃
もう 還らず
還らず
いま この 一時
すべてを 乗せて
振るう 刃
還らぬと 知りながら
それでも なお
振るう 一刀
勝てぬと 知れば
心は 沈むか
否
むしろ 静けさは
いっそう 澄み渡り
この 一撃に
濁りは なし
ただ まっすぐに
落とす のみ
月が 見ている
何も 言わず
燕は
もう 還らぬ
この 命も
また 還らぬ
- 作詞者
Liminal Reverie, shintaro
- 作曲者
Liminal Reverie
- プロデューサー
shintaro
- 共同プロデューサー
Liminal Reverie
- プログラミング
Liminal Reverie

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燕、還らず
Liminal Reverie
拝啓――
月のした、波もまたことばを失い候。
一太刀にて、すべては定まり申した。
かえらぬものと知りながら、
なお振るう刃の行く末――
それは勝ち負けにあらず。
ただ、その一瞬に宿る覚悟にて候。
つばめは、もう還らず。
この一撃も、また還らず。
なればこそ、
この静けさを、しかとご覧あれ。
アーティスト情報
Liminal Reverie
**Liminal Reverie(リミナル・レヴェリー)**は、 「現実と夢のあいだ」をテーマにした インストゥルメンタル・プロジェクト。 昼と夜のあいだ。 賑わいのあと。 現実と夢が、まだ分かれきらない瞬間。 そこに残る気配、余韻、空気を音にする。 和と洋、対になる二つの軸を持ち、 和:江戸lofi 洋:Liminal Reverie それぞれ異なる世界観で楽曲を制作している。
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