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プレイリスト向けの小綺麗に整えられたポップスや、予定調和なEDMのビルドアップ、そして無機質なスタジオ補正(過剰なオートチューン)を徹底的に手放した、衝動的で血の通ったダンスロックです。深夜の街に充満する剥き出しの電気(late-night city electricity)と、若さゆえの無謀なエネルギーを、BPM130前後の狂気的な推進力のなかに閉じ込めています。
「終電が消えたあとの、ようやく正直になった都市の呼吸。100回以上繰り返された『あと一晩だけ』という嘘、赤信号の下で生きている実感を貪る悪い子たちの群像」。お行儀のいいメッセージではなく、街の熱量に浮かされた生々しい言葉の数々が、スタジアムのフットボール・チャントのようなシンプルで強力なリフレイン(football-chant simplicity)となって聴き手の身体を直接揺さぶります。
最大の快楽は、完璧なデジタルグリッドや綺麗に収まったアレンジ(radio-safe pop-rock)を完全に拒絶し、ライブハウスの汗の匂いや人間の不揃いなダイナミクスをそのままパッケージした歪な音響設計。伴奏を引っ張るのは、意図的にテンポをわずかに前へ前へと急がせる生々しいラッシュ感(punchy live drums slightly rushing the beat)をはらんだドラムと、地を這うようにうねるダーティなベース。マイクの振動板に唇が圧着する2cmの超至近距離で捉えられたボーカルは、傲慢でカリスマ的でありながら、どこか今にも壊れそうな不安定さ(unstable, funny, and strangely vulnerable)を覗かせ、フレーズの最高潮でひっくり返る声のクラックや、未編集の荒い息遣いまで全録音されています。
サビに突入した瞬間、ステレオ幅が左右140%のパノラマへと全開放され、地声の集団シャウト(gang vocals)とディスコパンクの鋭いギターが最高風速で爆発。中盤のビルドアップでは、すべてのリズムが消滅して静寂に近い肉声の囁き(spoken, near silence)になる過激な引き算を敢行。そこから無警告で最終サビへの全音響デトネーションへとノーモーションで再点火します。最後は綺麗に収束するフェードアウトに逃げることなく、自身の行動を笑い飛ばすような最後の呟きの瞬間にリミッターがゲートをプツンと遮断。残響を1ミリも残さずスパッと完全な真空の静寂へと着地する、現代のミニマリズムを体現した大傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。