陶器のカデンツァのジャケット写真

歌詞

陶器のカデンツァ

Akemi

棚の高みで 三月埃を

かぶった陶器 猫のかたちの

持ち上げて振れば 鳴る百円の

行き先のない 重さが答える

「旅の単位は 百円玉ね」と

決めて笑った 日々の名残で

海の切符を 二枚のつもりで

細い口から 落とし続けた

飾れば残る 形の約束

割れば出てくる ただの百円

どちらも今の 私じゃないなら

畳に広げる 朝の新聞

金槌の柄を 短く持って

猫の背中に 狙いを定め

一度ためらい 二度目で振った

乾いた音で 春が始まる

破片の間の 銀を数えて

たしかにあった 日々の目方よ

戻せない金の 使い道なら

二人の分は 私の音へ

お茶の水の 中古の棚で

回る盤の 機械を選ぶ

「いい音ですよ」と 店主が笑い

抱えて帰る 春の坂道

窓を開けて 部屋に風入れ

中古の盤に 針を下ろせば

傷の音ごと 歌いだす部屋

破片は包んで 朝の新聞

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

陶器のカデンツァのジャケット写真

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    陶器のカデンツァ

    Akemi

「陶器のカデンツァ」は、目的を失った貯金箱を割り、二人の約束の残りを自分の音に替えていく春先の朝を描いたミディアムテンポのシティポップ。
棚の上で三月埃をかぶった猫のかたちの陶器、畳に広げた朝の新聞紙、金槌の乾いた一撃、破片の間の百円玉、そしてお茶の水で選んだ中古のターンテーブル――行き先のない重さが、自分の部屋を満たす最初の音へと変わっていく心象風景を映し出す。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、形だけの約束を飾り続けるのでも過去を責めるのでもなく、戻せないものの使い道を自分の側で決め直す大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、レコード、部屋の空気、春の坂道を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

一度ためらい、二度目で振り下ろした金槌の乾いた音とともに、春が始まる。
破片は朝の新聞に包み、中古の盤に針を下ろして、傷の音ごと部屋が歌いだす――そんな静かな再生を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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