Unlucky Paradeのジャケット写真

歌詞

Tobacco

Blue Letter

君のタバコの匂いは 本当はただの刺激で

壁紙に染みこんだ ほの暗い影までは

どうしても好きになれず 毎回窓を開けて

君が煙を吐くたび 心まで曇る気がした

深夜のコンビニ袋 床に転がったまま

ライターの小さな音が 部屋の中心で跳ねる

言い返したいことほど 喉の奥で固まって

君の背中にだけ ほんとの声が届かなかった

灰皿に残された 白い灰のかたまり

その温度だけがまだ わたしを呼び戻す

「やめればいいのに」と ふざけて言った日の

君の流した視線が 今日まで胸を刺している

吸い込んだ煙の ざらつく苦さの奥で

君の声の残響が いまでも形を持つ

嫌いだった匂いまで どうして温度をくれる?

Tobacco の灰色が やけに優しく見えてくる

触れた指先の跡も キスの温度の残りも

消えたはずの夜だけが まだ息をしている

嫌っていた匂いで なぜか呼吸が戻る

「忘れられないよ」と 喉の奥が震えた

君のいない部屋では 空気ばかりが広がって

カーテン越しの光まで 知らない景色に変わる

洗面台に残った 見慣れた青いカップ

触れた瞬間だけで 胸の奥がゆらぐ

忘れ方を探して 深夜に買った箱を

手の震えを隠しつつ 少し乱暴に開ける

フィルムの破れる音が 思い出を切り裂いて

火をつけた一瞬だけ 君が隣に立つ

吸い始めの苦さより 胸を満たす静けさ

煙が輪になって 天井にゆっくり溶ける

嫌いだったはずなのに どうしてこんなにも

わたしの呼吸だけが 素直に整っていく?

吸い込んだ煙の向こうで 部屋の記憶が揺れて

何度も閉じた夜だけが まだ灯り続ける

Tobacco の残り香まで 君の癖をなぞって

「置いていくなよ」と 影がわたしを掴む

嫌いだった匂いなのに 今日も火を点けてしまう

君がいないはずの部屋で 君を呼び戻すために

くゆる煙の色だけが わたしをまっすぐ刺す

“忘れる”よりも先に “もう一度”が滲んでいく

  • 作詞者

    Blue Letter

  • 作曲者

    Blue Letter

  • プロデューサー

    Blue Letter

  • ボーカル

    Blue Letter

Unlucky Paradeのジャケット写真

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「Unlucky Parade」は、日常の小さな不運や混乱を、
ユーモアとラップの勢いで押し返していく物語を集めたアルバムです。

靴ひもがほどける朝、雨に追いかけられる帰り道、
言葉がうまく出てこない瞬間や、気持ちの行き場を失う夜。
そんな誰にでも訪れる“つまずき”の数々が、
韓国伝統民謡の節まわしと高速K rapによって、
一つのリズムへと組み立てられていきます。

ときに滑稽で、ときに胸が締めつけられる感情が、
曲を重ねるごとに大きなパレードのように流れ出し、
最後には、不運の中にこそ跳ね返す力が宿っていることを教えてくれます。

不完全なまま前へ進むすべての人へ。
笑って、怒って、しくじって、また歩き出す――
その一歩一歩に寄り添う作品です。

アーティスト情報

Blue Letter Records

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