Lyric

完璧だった世界を壊したのは僕か君か

その二つはどちらでも大差はない

混ざり合ってちょうど優しい色をしていた日々

ひび割れたところから極彩色が漏れる

同じ景色を見ていたはずの

僕らすらすれ違う

君の蒼は　僕の碧は同じ？

答え合わせの機会は逸した

二つ描いた円の

重なるところばかりを切り取り

閉じた二人の世界を守る

半分ずつに分けた硝子の色をかざし合って

自らのレンズに互いを閉じ込める

歪な虚像は揺らいだ

次第に色褪せる

擦り切れたフィルムの中で

それだけがいつまでも消えてくれない

それだけが足りない

サイダーは溢れ出して

笑い合った甘い季節

触れただけで壊れそうな

空蝉のよう

透明な夢の続き

手繰り寄せては零れて

二人だけの世界はもう何処にもない

半分ずつに分けた硝子だけが今もあって

落ちた砂はもう元には戻らない

残像を残して

光は溶けていった

戻れない夏の中に

僕だけが今も抜け出せないでいる

君だけが──