For All Pathos e.p. Front Cover

Lyric

No Longer Human

Farewell225

私は、その男の写真を三葉見たことがある。

一葉は、その男の幼年時代、とでも言うべきであろうか、

十歳前後かと推定される頃の写真であって、

その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、

首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。

第二葉の写真の顔は、とにかくおそろしく美貌の学生である。

血の重さ、とでも言おうか、いのちの渋さ、とでも言おうか、

それこそ鳥のようではなく、羽毛のように軽く、

ただ白紙一枚、そうして、笑っている。

キザと言っても足りない。軽薄と言っても足りない。

もう一葉の写真は、最も奇怪なものである。

まるでもう、としの頃がわからない。

頭はいくぶん白髪のようである。

こんどは笑っていない。どんな表情も無い。

この手記を書き綴った狂人を、私は、直接には知らない。

恥の多い生涯を送って来ました。

自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。

人間のいざこざに出来るだけ触りたくないのでした。

おそろしいのでした。

そこで考え出したのは、道化でした。

世間とはいったい何の事でしょう。(死にたい、いっそ、死にたい)

飲み残した一杯のアブサン。(もう取返しがつかないんだ、無駄になるだけなんだ)

永遠に償いがたいような喪失感を(恥の上塗りをするだけなんだ)

こっそりそう形容していました。(死にたい、死ななければならぬ、生きているのが罪の種なのだ)

「世間というのは、君じゃないか」

ああ、人間は、お互い何も相手をわからない、(侘しい)

まるっきり間違って見ていながら、(侘しい)

無二の親友のつもりでいて、一生それに気附かず、(侘しい)

相手が死ねば泣いて(侘しい)

弔詞なんかを読んでいるのではないでしょうか。

侘しい

侘しい

  • Lyricist

    Kemono Tsudo

  • Composer

    Kemono Tsudo

  • Producer

    Kemono Tsudo

  • Synthesizer

    Kemono Tsudo

  • Vocals

    Mirai

  • Songwriter

    Kemono Tsudo

  • Other Instruments

    Kemono Tsudo

  • Licensed Verse

    Osamu Dazai

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  • 1

    Cynic

    Farewell225

  • ⚫︎

    No Longer Human

    Farewell225

  • 3

    Give You

    Farewell225

  • 4

    Selfish

    Farewell225

  • 5

    Pathos

    Farewell225

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