Lyric

ぼくの足跡はどこにもない

歩くことすらも億劫

皆投げる言葉 優しさらしい

誰よりも何故か知っている

気付いたころには透明になって

心まで見透かされる気分になる

誰にも渡すもんかと息を呑む

冷えた空を少し手に入れたんだ

ずっと彷徨う 丸い地球の隅っこで

雨が止むまで

しねない幽霊 ぼくはここだよ

あなたの目の奥にも映れないな

寂しいなんて思えないまま

空白で詰まる様な夢をみている

今でも

いつまでも

ぼくの背の空気が鏡で踊る

蝋燭は絶えず揺れている

怖いもの見たさで誰かが呼ぶ

返事が怖いのはお互いでしょう

どんな些末な記憶も思い出せない

言葉と声の間 皺が増えていく

じっと逸らさずにその瞳で見つめてよ

夜をなぞる様に

「死にたいなんて言ってくれるなよ」

いつか流したあなたがそう言うだろう

声のでない喉を締め上げて歩いて

あなたという足跡をやっと見つけたよ ぼくの中で

あなたが生まれた朝に

ぼくが生まれなおしたい夜に

どうだってもう構わないんだ 俯いて影を探した

鼻先が触れる距離の先

その手すら触れられないらしい

悪夢の様に見えた だからあなたが美しかった

いつまでも死ねない訳だった

ぼくの涙はぼくには見えない

透明だからぼくだって同じさ

誰にもどうせ伝わらないのなら

たったひとつのことだけ残すよ

しねない幽霊 そこにいたんだろ

消えたいあの夜が 優しくて優しくて

誰かが知っている名前と愛の形を

知らないでいるぼくが 愛してしまった

しねない幽霊 ほらいっておいで