Lyric

帰って鞄を見たら

読みかけの本が泥だらけ

どこから入ったんだろう

傘はちゃんと差したはずなのに

式日を背にして俯いてから

どれくらい日々が経ったっけ

もうお腹は空くしすっと穏やか

雨の匂いに

胸が枝垂れるのは

なんでなんだっけ

ああ

もしもあなたが

躓いたのなら

ポケットの中に小さな

爆弾がありますように

この先あなたが

不吉な塊に包まれたのなら

何かかも吹き飛ばすような

爆弾がありますように

二度あることは三度あると

三度目の正直の

狭間で踊る私が

唯一信じられる私は

転んで傷ついた先の

暖かい手のひらを待っていること

枯れた花にまだ水をあげ続けてる

朝の匂いを思い出せないのは

なんでなんだっけ

もしもあなたが

生まれ変わるなら

記憶の片隅に浮かぶ

花弁の一つになれたら

この先あなたの

ただ地平線の果てまでのグレーを

嫌になるような日々に

何か差し伸べられたなら

もしもあなたが

寂しくなるなら

隣には優しく微笑む

爆弾がありますように

この先あなたが

忘れられない過ちに悩んだなら

見上げた空、

ひどく大きな

爆弾がありますように

この先あなたが

この先あなたの

思い出が夜に咲いてしまうのなら

僕らごと消し飛ばすような

爆弾あれ 爆弾あれ