

朝の光が透き通る
少し肌寒い 三月
人混みの中
エースの先輩が 歩いていく
見上げた枝先に
ピンクの気配はなくて
もうお別れだって言われてるのに
桜はまだ 冬の夢を見てる
卒業式の廊下で
リボンを欲しがる声がする
私は遠くから
名前も呼べずに 見てた
声を出したら
泣いてしまいそうで
気づいたら
ユニホームを 抱えてた
坂道の桜はまだ蕾のまま
それでも私の 三月は動く
先輩の襟元 校章のあった場所
小さな穴に 目を逸らして
笑って見送る
それだけでいい
空いたロッカーに ぬくもりだけ残って
朝より少し 息が白い
誰もいないはずの通路で
足音だけが 響いてる
ユニホームだけが 静かに掛かってる
背中の番号を 見つめたままで
声をかける相手もいなくて
まだ 動けずにいた
先輩から 渡された
ユニホーム
受け継ぐ 背番号
覚悟が まだ追いついてない
坂道の桜はまだ蕾のまま
咲く気配もないのに 三月が来る
先輩の襟元 校章のあった場所
小さな穴が やけに目に刺さる
坂道の桜が 蕾を割るころ
私はもう コートに立ってた
先輩のいた場所に
自分の影を 重ねながら
桜が満開になるころ
同じ番号のままで
- 作詞者
HifumiYo
- 作曲者
HifumiYo
- プロデューサー
HifumiYo
- ミキシングエンジニア
HifumiYo
- マスタリングエンジニア
HifumiYo
- グラフィックデザイン
HifumiYo
- プログラミング
HifumiYo

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満開の背番号
HifumiYo
**満開の背番号**は、卒業という季節の境目で、「去る人」と「受け継ぐ人」の間に流れる、言葉にならない感情を静かに描いた楽曲です。
まだ蕾のままの桜と、動き出してしまう三月の時間。
想いを伝えられないまま見送る後輩と、残されたユニホーム、そして引き継がれる背番号。
ピアノを軸にした抑制の効いたアレンジと、内側に熱を宿した女性ボーカルが、
別れの寂しさだけでなく、「覚悟が追いつかないまま前に立つ」瞬間の揺らぎを丁寧にすくい取ります。
派手さを排したからこそ浮かび上がる、静かな決意と時間の重み。
春が満開になる頃、同じ番号のままで立つ“その先”までを見つめた一曲です。



