Cassette Gadget 4q (sketch)のジャケット写真

歌詞

いいなり

岩下啓亮 Sardine

何をやっても許される

権利を所有している

疑うこと何もなく

湯水のごとく注がれる

愛情を食べて暮らす

口までそれを運ばせ

エゴをひたすら超えて太らす

おれの喉の奥には

蛇口みたいなのがある

ひねりゃ湧きだすいい匂い

泉のように溢れる

さあ? よくは分からないが

たぶん優秀なんだろう

遺伝子だとか免疫だとか

彼女はおれのいいなり

指図は思惑のまま

無茶苦茶な言い分ばっかり

押しつけてやるとする

もしもあんたが彼女を

不憫だと感じるなら

不服申し立てをしな

だが おれは彼女の喜び

他の女と寝てみる

たとえばそんな時でさえ

ちょっとばっか嫉妬すりゃ可愛いのに

薄ら笑い浮かべてる

幸薄い女の糧

僅かばかりの施し

他の男を知ることもなく

彼女は俺のいいなり

使いやすい道具なり

滅茶苦茶な支配の日々

芝居がかった毎日

もしもあんたが彼女を

救いたいならそうしな

袖を引っ張っているのは誰だ

彼女を抱いてみるかい?

どこにいくのか想像つかなくて

どうしていいか分からなくって

泣いていました

あゝ抱きしめてくれた

優しくしてくれた

わたしは あなたの

いいなりになった

生きてることはたぶんぜいたくで

従うことはわがままだって

幸せだって信じてた

あゝ神様がくれた

束縛のつよさ

わたしは あなたの

いいなりでした

彼女はおれのいいなり

彼女はおれのいいなり

彼女はおれのいいなり

いいなり

いいなり

彼女はおれのいいなり

  • 作詞者

    岩下啓亮 Sardine

  • 作曲者

    岩下啓亮 Sardine

  • レコーディングエンジニア

    岩下啓亮 Sardine

  • ギター

    岩下啓亮 Sardine

  • ボーカル

    岩下啓亮 Sardine

Cassette Gadget 4q (sketch)のジャケット写真

岩下啓亮 Sardine の“いいなり”を

音楽配信サービスで聴く

ストリーミング / ダウンロード

今回のリリースはカセットガジェットシリーズの第四弾である。
2001年(21世紀)の前半、私は作曲のアプローチを一から見直した。具体的には、歌詞の内容をとことん突き詰めて、詞先で後から旋律をこしらえていった。この時期に作った曲は30曲を超え、大半は後に制作する『変身』と『21世紀のプロテストソング』に援用された。
ここに収められた習作は、スケッチの域を出ていないものが多い。下手なギターをかき鳴らす、一発どりの弾き語りがほとんどだ。編曲という化粧を施さない、いわばすっぴんの状態なので、リスナーの耳を楽しませる要素はほとんどない。けれども、私の作曲プロセスを検証するには、格好の資料といえるだろう(将来誰が検証するかさだかではないけれど、笑)。
ジャケット写真の場所は広島県尾道市。妻が撮影した。

アーティスト情報

  • 岩下啓亮 Sardine

    鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約200曲あります。これらを8枚のアルバムにまとめて2024年に順次アルバムをリリースしました。2025年はアンソロジーの代わりに、年代順に編集したアルバムを発表します。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。

    アーティストページへ


    岩下啓亮 Sardineの他のリリース
"