

焦げつくアスファルト
陽炎が笑う午後
スニーカーの影だけが信号よりも早く揺れる
ヒマワリの列に君の背丈を探しては
伸びすぎた茎みたいに言葉が空を見上げた
鳴き止まない蝉時雨
耳を澄ませても
「好きだよ」の輪郭だけノイズに溶けてく
ねえ ヒマワリに言えない
この胸の青
太陽みたいに眩しくて視線を逸らした
君に届く前に 夏が終わるとしても
焼けた手のひらで影を抱きしめていた
教室の窓
昼下がりの逆光
軋む扇風機と揺れるカーテンの海
君が忘れたままの麦茶の水滴が
僕の時間だけ冷たく刻む
「またね」と書けず破った
化学のノート
紙片の雲たちが机上で漂う
まだ ヒマワリに言えない
言葉の種
君の背中を追い越せず陽が傾いてく
夕立の気配に街が滲む頃には
僕の影ごと夏を置いていくだろう
たとえば折れた茎の先にも
明日を向く小さな蕾があるなら
声にならず散った花粉のような想いも
いつか君の空へ届くだろうか
いまヒマワリに言えない
最後の青
灼けた風が追い越しても胸は走る
君に届くまで枯れてしまうとしても
僕は太陽より君を見ていたい
- 作詞者
nought
- 作曲者
nought
- プロデューサー
nought
- ギター
nought
- ドラム
nought
- キーボード
nought
- ボーカル
kuu
- ソングライター
nought
- プログラミング
nought

零壱ノ間 の“ヒマワリに言えない”を
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ヒマワリに言えない
零壱ノ間
夏の、あの息苦しいくらいの眩しさと、言えなかった言葉の味を、一曲に閉じ込めました。太陽のほうを向くヒマワリのように、ただ憧れの人を見つめることしかできなかった、あの日の自分へ。そして、同じように胸を焦がす誰かのための、日記のような曲です。