Lyric

消えない、残り香のよう。

僕だけの静かな闇夜に。

消えない、響き続ける音楽と。

落ちる、ガーシュウィンの夢へ。

同じ夜君も聞いていた。

シャンゼリゼ通りの路地裏のアパートで。

うつらとしながら夢を見る君。

未来のブロードウェイスター。

今も誰かと同じメロディーで、

旅をしている。

彼が作る世界で僕らはつながる。

待ち合わせよう電波塔で。

右から2番目の星に向かって、

夜空を走る汽車、ふたりで貸し切って。

真っ白な君のワンピースが揺れる。

窓から顔出して君と見下ろすオーケストラ。

ホルンが映し出すよ、車窓の花火。

「君に会えるだけの夢」が愛おしい。

右から2番目の星に向かって

夜空を走る汽車、ふたりで貸し切って

疑いもしないんだ、存在証明なんて。

いつか終わる世界に、響くいつか終わる音楽を。

消えゆく世界を見上げて、

落ちる成れの果ての海へ。

空気の漂う音が迫って、

ありえないほどにうるさくて。

音に成れなかった僕は、

君を思い出せないことすら気付かないの。

最後の花火が散るその時に、

何故か必死に踠いてたんだ。