

声だけ覚えた 昼の挨拶
あの人が読んだ 祭りの貼り紙
誘いかどうか 訊けないままで
浴衣の糊を 指で確かめる
裸電球の 光る参道
太鼓の音が 浴衣の帯まで
探すともなく 探す横顔
綿飴の白 越しに見つけた
約束はない 灯りの下で
会えたらいいと 会うのが怖い
帯の結びが 少しきついのは
息を深く 吸えないからね
「どれを狙う?」と 並ぶ射的屋
コルクは四発 的を外れて
震える肘に 「こう」とだけ触れる
的より近くで 聞こえる声
ジェットの音に 「また」が消える町
言いかける前に 唇を閉じて
先に諦める 癖で生きてきた
五発目だけは 撃つと決めたの
狙いを定める 賭けの五発目
コルクは軽く 夜へ逸れてく
外れた音に 二人で笑う
「来週も 夜店は出てる」と あなた
下駄の音だけ 並んで帰る
手の中は空 なのに重たい
肘に残った 手のひらの形
「来週」は言わず 帯を締め直す
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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射的のアルペジオ
Akemi
「射的のアルペジオ」は、確かめられないままの誘いを頼りに出かけた夏祭りの夜と、結果を賭けたまま引き金だけを自分で決める瞬間を描いたミディアムテンポのシティポップ。
商店街の貼り紙、糊を通した浴衣、裸電球の連なる参道、綿飴の白、そして射的台に並ぶ五発のコルク――約束のない夜に鳴る音の連なりが、期待と不安が同じ息の中に混ざる心象風景を浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、昼の挨拶しか知らない相手に「会いに来た」とは言えないまま、当たり外れではなく狙いを定める行為だけを自分の側に引き取る大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夏の夜、屋台の灯り、言葉にならない距離の揺れを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
震える肘に一瞬だけ添えられた手のひらを受けて、五発目だけは撃つと決める、その小さな裁定。
外れた音に二人で声を上げ、下駄を鳴らして並んで帰りながら、「来週」を約束にせず帯を締め直す――そんな夏の一夜を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



