

夏の午後の 棚の奥の暗がり
ほとんど空の 小さな硝子
あの夏つけてた 香りの残り
最後のひと吹き 底に眠ってる
大和の母は よそ行きの日に
ひと吹き纏って 鏡を覗く
私は夜ごと 誰にも見せず
手首の内側に 落としていた
栓を抜けば 立ちのぼる残り香
香りひとつで あの夏が戻る
「君の匂い」と 呼んだ人がいた
香りの中に まだ立っている
残るひと吹き 肌につけるか
瓶を持つ手が 宙で迷う
つければ今日が あの夏に染まる
それはきっと 借りものの時間
香りは記憶を すぐ連れ戻す
でも肌には もうつけたくない
戻るんじゃない 見送るために
この残り香に 手を伸ばさない
肌ではなく 宙へ向けて押す
最後のひと吹き 霧になって散る
部屋いっぱいに あの夏が広がる
そして少しずつ 薄れてゆく
空になった瓶 栓を閉めて置く
言いかけた名を 喉で止める
棚に戻す 空の硝子ひとつ
薄れてゆく 最後の夏の匂い
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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香水のセピア
Akemi
「香水のセピア」は、ほとんど空になった香水瓶の最後のひと吹きを通して、鮮やかに蘇る夏の記憶を使い切って手放す午後を描いたミディアムテンポのシティポップ。
夏の午後の部屋、棚の奥の暗がり、ほとんど空の小さな硝子瓶、夜ごと手首の内側に落とした香り、そして宙へ放たれて薄れていく残り香――しまわれていた装いの記憶が、戻るためではなく見送るための一吹きを静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、「君の匂い」と呼ばれた香りを誰かのためでなく自分のために選んでいたと確かめながら、最後のひと吹きを肌に残さず手放す大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夏、鏡台の香水、部屋の空気、褪せていく記憶を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
最後のひと吹きを肌ではなく宙へ向けて押し、霧になって部屋いっぱいに広がる夏を、ただ薄れていくまま見送る。言いかけた名を喉で止め、空になった瓶を棚へ戻す――そんな、回想を使い切って自分の手で手放す余韻を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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