1
からだパーカッション (feat. 工藤 雄一 & 橋本 学)
2
ねこ (feat. 小田島 伸樹, 工藤 雄一 & 久保田 徹)
3
わがままな2才 (feat. 小田島 伸樹, 工藤 雄一 & 久保田 徹)
4
ふうせん (feat. 工藤 雄一)
5
まめのおはなし (feat. 工藤 雄一 & 橋本 学)
6
これはなぁに? (feat. 小田島 伸樹, 工藤 雄一 & 久保田 徹)
7
Odoro Samba (feat. 小田島 伸樹, 工藤 雄一 & 久保田 徹)
8
葉っぱのミュゼット (feat. 工藤 雄一)
9
焚き火 (feat. 工藤 雄一)
10
みんなのクリスマス (feat. 小田島 伸樹, 工藤 雄一 & 久保田 徹)
11
冬がきた (feat. 森 泰人, ヨーラン・クローン & 工藤 雄一)
12
できるよ (feat. 森 泰人, ヨーラン・クローン & 工藤 雄一)
13
だっこ (feat. 森 泰人, ヨーラン・クローン & 工藤 雄一)
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自分が母親になるず~っと、ずっと前。
すでに母親になっている親友の家に行き、子ども向けの歌々を、全身を使ってわが子と楽しんでいる友の姿をみてショックを受けた。
自分には無理だ。あんな母性にあふれた振る舞いを、自分にはできないだろうとも思った。
そんな心配をよそに、出産してみれば周囲は童謡や子どもソングにあふれ、自分もいつしか口ずさむようになっていた。もちろん、楽しくないわけじゃない。よろこぶ子どもの顔をみれば、母親として、うれしくないわけがない。
けれど、子どものためなのだ。自分のためじゃない。
そんなときだ。ゆかさんの歌に出逢ったのは。
「こどもたちへのラブソング」
衝撃だった。
大好きな、自分が心からカウントとれるジャズやボサノバにあわせて、心から愛を奏でられる歌。それも子どもへの愛を!
育児をしていると、あふれ出す愛が、いつでもあたたかいわけじゃない。思った通りにいかない子育てに、疲れ果てるときもある。けれどそんなときくどうゆかの音楽を聴けば、
まず、その歌声に癒され、
つぎに、その歌詞にあたたかさを取り戻す。
おひさま、玉ねぎだいこん、水たまりにてるてるぼうず、そして夜空。
そんなありふれた毎日に、灯りがともる。
あぁそうだ。自分はこんなにも子どもを愛していたんだっけな。
そんなことを改めて感じさせてくれるのだ。
それはきっと、ゆかさん自身が、わたしたちと同じ母親としての毎日をまっとうしているからなのだろう。同じ親として、こんなにも深く共感できる歌は、ほかにはない。
あれから4年。
スウェーデンでのレコーディングも含む「だっこ〜こどもたちへのラブソング2〜」でも、
ゆかさんの母性っぷりは健在だ。それどころか、お子さんの成長とともに、奥行きが出てきている。
たとえばタイトルチューンの「だっこ」。
愛しいわが子を抱き上げるよろこび……。だなんて、そんなうわべの美しさだけを歌わないのがゆかさんだ。腱鞘炎にもなろうかという赤ちゃんのリアルな重みや、子育て奮闘期の複雑で刹那な想いが、曲の中から顔をのぞかせる。
そうそう、そうなんだよ。きれい事だけじゃなくってね、子育てってこんなこと。ということを、愛情たっぷりに、ときにユニークに歌いあげるのだ。
この透明感のあるすんだ歌声を、ご主人、工藤雄一氏のピアノがやさしく包み込む。そしてそれをまた、子育てに共感する音楽家たち・愛を持って子どもと向き合っている音楽家たちが二人を支えながら、共鳴して、軽やかに、まろやかに、音を楽しむ。彼らの作品作りは、母親や夫婦だけじゃなく、地域や周囲に支えられて初めて成り立つ、育児そのものだ。
くどうゆかのアルバムに出逢える母親は、なんてしあわせだろう。
やさしいママだけでいられない自分に、ときに自己嫌悪に陥ることがあっても、その理解者が隣にいてくれるってことだ。そしてまた必ず、愛があふれ出す。
ひとりでも多くの母親が、このアルバムを手にしてくれますように。素直に、そう想うのである。
山田じな
2001年よりジャズシンガーとしてジャズクラブ等での活動をスタート(旧・佐々木由夏)。2003年頃より、こどもや高齢者、地域での音楽の必要さを知る。その後自らの出産を経て、自ら「お昼のジャズコンサート」を企画、こどもたちには「聴く力を養うこと」、親たちに「こどものありのままを愛すること」、孤育ての防止、共感の場を提供している。
24 records / nel record