離人のジャケット写真

歌詞

離人

SomAtic

人から離れていく

己が人間(ひと)なのかも 訝しく思う

この目の前の現実は 不気味な夢なのか

現実へと戻る術を 失ってしまったのか

意識が 人という枠組みを離れていく

人から離れたい

脳内に響き渡る 無数の叫び声

ドームの真ん中で 耳を塞いでいる

雑音から逃げたい

でも独りは寂しすぎる

「離れたい」と「離れたくない」の狭間で

雲に隠れた月のように

本来の姿を見失う夜がある

それは奇妙で 誰にも解き明かせなくて

助けを拒みながら 助けを求めている

矛盾だらけの僕を あざ笑うように

人が離れていく

「通常ではない」と レッテルを貼られて

誰もが腫れ物に触れず

過剰に当たり障りなく

伸ばした手のぶんだけ 距離を取られていく

人ではない何かから 人が離れていく

曖昧模糊とした アンビバレントな心

ずっと寄り添うなんて 誰もできはしない

苛立ちを覚えるのも 無理はないのだろう

人から離れていく

こんな自分なんてと 激しく卑下をする

いま息を潜める君も

同じ場所にいるのだろう?

それは狂気ではなく 心が選んだ防衛機制

自分を護るための 必死な命の叫びなんだ

奇しくも「人から離れる」を

知ってしまった僕だから

奪われた現実感の中で

足掻いてきた僕だから

雲間に月が その輝きを取り戻す日まで

人から離れてしまった人の

傍から僕は離れない

暗闇の中 その手を握り続ける

  • 作詞者

    SomAtic

  • 作曲者

    SomAtic

  • プロデューサー

    SomAtic

  • ソングライター

    SomAtic

  • リミックス元のアーティスト

    SomAtic

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    離人

    SomAtic

「人は、壊れることで己を護ろうとする」
精神の歪みと現実感の喪失を描く『Depersonalization』。
自身が体験した離人症の凄絶な記憶と、臨床の現場で重ねた視点を融合させたSomAtic渾身のエモーショナル・ダークポップ。
グルーヴィーで不穏なベースラインと歪んだピアノが織りなすスリリングなサウンドの上で、言葉の棘が疾走する。過剰な刺激からの逃避、周囲からの隔離、そして己の存在すら見失う深い孤立。だが、その苦痛の底で鳴り響く「防衛機制」こそが、壊れかけた心が発した切実な「命の叫び」であると本作は肯定する。
暗闇のなかで雲間に隠れた月が輝きを取り戻すその日まで——離れてしまった「君」の傍から決して離れないという強い決意を込めた、救いと対峙のアンセム。

アーティスト情報

  • SomAtic

    ギリシャ語で「身体」を意味するその名は、表現者としての彼の原点である。日々、臨床の現場で数多の「身体(いのち)」と真摯に向き合う医師、SomAtic。 生と死、葛藤と再生。極限の人間模様を見つめ続ける中で、彼自身の身体の奥底から静かに、しかし力強く溢れ出た「言葉」が、一つの作品として形を成す。緻密に編み上げられた、生命の鼓動と共鳴する洗練されたサウンド。そこにあるのは、単なる感情の吐露ではない。医学的な視点と芸術的な感性が交差する場所で紡がれた、生命への深い洞察と慈しみである。医師として、そして一人の表現者として。 SomAticは、聴く者の心に寄り添い、日常の淵に微かな、しかし消えない光を灯し続ける。

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