積乱雲のジャケット写真

歌詞

積乱雲

たのうた

草むら掻き分け 畦道を行く

夕陽が溜まった池を横目に

泥と日焼けで逞しく見える

少年たちが自転車で通り抜ける

家々の匂いが漂ってくる

嬉しかったこと悔しかったこと

全てを包む夜の帳

ゆらり さらり くるり流れ

幸せだっていつかの優しさも

まつ毛に宿る光に透ける

君はどこを走っている?

あの夏の匂いのこの風が

君の髪を今日揺らすかもしれない

朝から汗ばむ 勢いづく季節

室外機から漏れる陽炎

涙ポロポロ溢れてくる

逸れてしまった渡り鳥

車窓から見える生活の灯り

知らない街 知らない人

全てにある尊い暮らし

はらり くらり すぐに恋しい

思い出だって

いつかの風に吹かれ運ばれていって

光に溶けた

君は何を吸い込まれたの?

あの夏の大きな空に

今に飽和しそうな夕立に変わるの?

ゆらり さらり くるり流れ

幸せだっていつかの優しさも

まつ毛に宿る光に透ける

君は何を思っている?

黄昏の中で

少し冷めた風に穏やかに

吹かれているの?

君は今も走っている?

あの夏の大きな空に今に飽和しそうな

夕立に変わるの

夕立に変わるよ

渇いた大地へ

  • 作詞

    たのうた

  • 作曲

    たのうた

  • プロデューサー

    うたかた

  • グラフィックデザイン

    山本げんた

  • ギター

    うたかた

  • ボーカル

    たのうた

  • バックグラウンドボーカル

    たのうた

  • プログラミング

    うたかた

積乱雲のジャケット写真

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    積乱雲

    たのうた

11歳の夏、私は兄弟と共に東京の田舎にある祖父母の家に一週間くらい預けられたことがありました。 祖父母の家はエアコンがあるのに決して付けることはしない家でした。 朝からお散歩に行き、暑い日中が過ぎるのをじっと待って夕飯の時間になるとやっと一日が終わるとほっとしていました。 両親が迎えに来てすぐ、私たちは家族で新宿から程近い場所に引っ越しました。 どこから見上げても切り取られた空と狭い道、今までよりもずっと狭い部屋。新しい生活のワクワクよりも不安の方が大きかったのを覚えています。 新学期も近づく頃、転入初日に弟を連れて二人で新しい学校に行かなければならなかった私は、予行練習がてら弟と学校までの冒険をしました。 新しい学校を見たその日の帰り道、急に水墨画のような空になって私たちは激しい雨にあい、きゃあきゃあ楽しんで帰ることになるのです。 その雨がとてもあたたかかったこと。 不安だったけどみんな口にできなくて我慢してた気持ちを吹き出すように激しく荒れた空。 あの夕立を夏になると思い出します。

アーティスト情報

  • たのうた

    2020年よりYouTubeにて日本の名曲カバー動画を配信開始。着々と視聴者を増やし、同年12月に、オリジナル楽曲「イノセント」をリリース、翌年には「サンセット」、そして2023年2月に1stアルバム「思い返し」をリリース。 2023年10月にYouTube登録者数1万人を突破。現在もカバー動画、オリジナル制作ともに精力的に活動中。 喜怒哀楽を映す透明感のある歌声に、内省的なようで、世界や他者への愛や願いが込められた楽曲は、聴く者の心を包み、時に元気や癒しを与える。

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