Lyric

ひとつの願いを込めて

私は種を蒔いた

光も何もない夜に

それでも信じた人の力

遥かな昔の地へ

種はそっと眠りについた

見えるものより見えないものに

温もりを託して

守るための手が

傷つけることも知った

でもその中で

確かに温もりも育っていた

私はただ見守っていた

血を滲ませて生まれた笑顔

何も言えず何もできず

それでも私の名前を呼ぶ声があった

ひとつの光が生まれた時

それだけで全てが愛おしかった

完全でなくてもいい

寂しくてもいい

人が人を想うその時に

種は光に変わるから

時に種は踏みにじられ

火の中で焼け土となった

それでも子どもが繋いだ手に

優しさが残っていた

道を失った人が

夜に歌った子守唄

それが種を守っていたこと

私だけが知っている

涙をこらえずにいられるものか

命が命を手放す時を

でもそのあとで

強く春を呼ぶ声がある

種よ大きくならなくていい

光のような笑顔がひとつあれば

争いの中に手を差し伸べる

その勇気を見届けたとき

私の祝福はそこにある

時は過ぎても

何も変わらぬものがある

それは「ありがとう」の心

その一瞬が世界を変える

今もどこかで種は眠っている

誰かの心にひそやかに

ひとつの歌、ひとつの温もり

それがまた次の種になる

私はまた歩き出す

この世界のどこかで

次の光を見つけるために

それで十分だ

それだけでいいんだ