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美しいピアノが静かに幕を開け、シガー・ロスを想起させる轟音ギターが空間を満たす。幾重にも重なった壮大なコーラスと、エレクトロな質感を纏ったシンセサウンドが、淡く滲む光と色彩の中を漂わせる――まるで印象派の絵画を音で描くように。
今作「Garland -dreaming euphoria-」では、シンセサイザーに岸利至を迎え、Cojok独自の音響世界を構築。幻想と高揚が同時に押し寄せる、6分間の音の旅。
アコースティックとエレクトロニカを融合させた“アコトロニカ”ユニット、Cojok(コジョ)。Kco(ボーカル&ギター)と阿瀬さとし(ギター&プログラミング)によって2006年に結成された。 1stアルバム『CRYSTAFIR』をリリース後、プロデューサー・佐久間正英氏が立ち上げたレーベル「Circular Tone」に所属。佐久間氏によるプロデュース/ミックスのもと、シングル「Fall」「Mo’mentina」を発表し、繊細かつ独自性のある音世界を確立していく。 2011年には、サウンド&レコーディング・マガジンとApple Store銀座の共同主催によるイベントにて、10台のスピーカーを用いた“10chサラウンドライブ”を披露。その後も富士通テン(現・デンソーテン)の協力を得て、ECLIPSE TDスピーカーを使用した“10.2chサラウンド・ワンマンライブ”を開催するなど、前衛的かつ体感型の音楽表現にも積極的に取り組んできた。 また、現在では一般的となった立体音響や高音質音楽配信にも、2012年の時点でいち早く着手。サウンド&レコーディング・マガジン主催「Premium Studio Live vol.6 Cojok+徳澤青弦カルテット with Special Guest 屋敷豪太、根岸孝旨、権藤知彦」では、DSDレコーダー KORG MR-2000 を用い、YMO作品などを手がけたエンジニア・飯尾芳史氏によるリアルタイム・ミックスでライブを公開収録。その模様は『QUANT』として配信リリースされた。 2014年には3rdアルバム『UNTRSHIA(アントルシア)』を発表。同作にはキング・クリムゾンの名曲「クリムゾン・キングの宮殿」のカバーを収録し、ゲストに根岸孝旨、権藤知彦、岸利至らが参加。 OTOTOY、サウンド&レコーディング・マガジンなどでインタビューが掲載された。 その後もライブ活動を継続し、2016年には「楽器フェア2016」KORGブース(東京ビッグサイト)にてライブ出演。2017年には4作目となるスタジオアルバム『Fourtea』を発表。2021年には、岸利至と酒井愁によるユニット TWO TRIBES との共同制作によるEP『MeteM』をリリース。 そして2025年には、新たなフェーズへ。 6月にはシングル「Chilling Sun」をリリース(ベース:根岸孝旨、ドラム:タナカジュン)。8月にはシンセサイザーに岸利至を迎えた「Garland -dreaming euphoria-」を発表。さらに12月には、デヴィッド・ボウイ「Strangers When We Meet」のカバーをリリースし、同曲にも根岸孝旨、タナカジュン、岸利至が参加している。 エレクトロと有機音が溶け合う繊細な音像。 Cojokは、時代の空気をすくい取りながら、自らの音楽表現を更新し続けている。
Nashuca Sounds