Lyric

まるで鰯と云わしむる程弱し、しかし近頃巷でまことしやかに話

に挙がる東雲の武士、宵越しの銭持たぬ手には黒い刃、

否、ただ鈍ら、身に傷一つ付けぬがどういうカラクリか

相対即ち終焉、魂蔵からはもう離れぬ頭、

体は万全、だが刀はガラクタ。言霊は最早消滅寸前

未然に防ぐ手立てはなく、危険を好む命知らずは皆同じ結末

二合も切り結べば決着、残されるは沈黙

戦慄の記憶に苛まれた者は二度と声が出ないという

昼に見れば武士は見る影もなく取るに足らぬ輩に頭を垂れる

かける言葉はおそらく耳に届かず徐に空を見上げる

影も生まれぬ程痩せこけた四肢、目に陽の光は映らず、

その先の虚空から隠し刃を取り出し、今宵も解き放つ

研ぎ澄まされた感覚、一語一句が刺さる韻

繰り出す音で見たこともない世界を聞かせる妙

時が止まった錯覚、自らを追い越す陰

掏り替えた己の制約すらも掻き消す陽

天下無双志す思想

今までも残ってる武士道の美徳

こころのこもった敬意の思考

生まれてこのかた常に起動

未公開の感情

麻痺させる理想的である希望

未来永劫泥を噛んでた

ような絶望的な 表情

人口１億を超過した無人島

内なる平和しか望まぬ主人公

不眠症のせい血の色で染まった白目

わずかの希望のために、

抑えてく噴火しそうな怒り

人のいいなりに反抗する頭の中の雷

トンネルの向こう側の光と勘違からつい目さめた視界

理解できない銭を人生目標にした周りの死体

縛りから解放求める細胞、

頭脳んなか存在せぬ回答

探した結果、すべての成果は魂の劣化だった。

隠し刃の侍、今宵も解き放つ