

中央線の 文具店の帳場
閉店前の 珠の手ざわり
一日の数を 右から弾いて
親指だけで 桁を上げてく
週に一度の 紙の届け物
このごろ時間が 少しずれてる
高円寺駅の 影が伸びる頃
伝票の隅 斜めの走り書き
一珠だけ合わない 帳面の数
弾いても弾いても 端がずれてく
訊けば済むのに 珠を見ている
払いかけたまま 指が止まる
戻して数えて また合わない
違うのは数じゃ なかったのね
あなたの来た刻(とき) いつもと違う
桁のあいだに 浅い隙間
境川の岸 増える水位を
指で数えては 橋を見ていた
数えるうちは 待たずに済んだ
今も帳場で 珠を弾いてる
一珠のずれを ご破算にして
桁をぜんぶ 定位置へ戻す
数えた時刻(とき)は 数え直さない
合わない分を こちらで持つの
そろえた珠に 灯りを落とす
「待ってた」は 桁の間に伏せ
一日の伝票 重ねてたたむ
シャッター下ろす 鍵の音ひとつ
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“そろばんのミスカウント”を
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そろばんのミスカウント
Akemi
「そろばんのミスカウント」は、何度数え直しても合わない一珠が、相手の来る時刻のずれを告げていく閉店間際の静けさを描いたミディアムテンポのシティポップ。
中央線沿いの文具店の帳場、閉店前に弾く珠の手ざわり、伝票の隅の斜めの走り書き、桁のあいだに開いた浅い隙間、そしてご破算にして定位置へ戻る珠――帳面の数字の狂いが、確かめずに自分の側で引き受けようとする心を静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、合わない一珠を相手のせいにせず、訊けば済む問いを珠の音に伏せながら、ずれた分を自分の側で持つと決める大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、商店街の夕暮れ、帳場の空気、すれ違いの温度差を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
一珠のずれをご破算にして、桁をぜんぶ定位置へ戻すその瞬間、数え直さないと決めた時刻だけが胸に残る。
「待ってた」を桁の間に伏せ、伝票をたたんでシャッターを下ろす――そんな確かめない決別を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



