

改札の向こう 笑顔だけ置いて
言えなかった言葉が 背中に積もる
濡れたコートの重さで
平気なふりが 少しだけ剥がれた
震える指先 ポケットに隠して
「大丈夫」って嘘を 温度で温める
雪の白さに負けた 最後の強がり
眩しすぎるほど 君が遠ざかる
泣かないって決めた 唇の端で
ほどけた強がりが 静かに名前を呼ぶ
Still standing, still lying
強がりは溶けて 足跡だけ残る
ふたりで数えた 信号の色
待ち時間さえ 宝物みたいで
約束ばかりが増えて
守れない未来が 少し笑った
強くなるほど 何かを失って
優しさの置き場が わからなくなる
雪の白さに負けた 最後の強がり
振り向けばすぐ 抱きしめられそうで
「行かないで」って言えたら 世界は違った?
答えだけが ひらひらと降り続く
Still standing, still lying
強がりは溶けて 足跡に変わる
何も言わずに 守ってきたものが
いちばん君を 遠くした
誇りみたいに 握りしめた嘘が
今 粉雪にほどけていく
雪の白さに負けた 最後の強がり
強さの意味が ようやくわかった
傷つかないための 仮面だったんだと
遅すぎる気づきが 胸を染める
雪の白さに負けた 最後の強がり
もう隠さないよ 弱さも後悔も
君を失って やっと辿り着いた
本当の優しさの 入口で
Still standing, no more lying
強がりは溶けて 息になる
雪が止むころ 言えなかった言葉が
遅れて 遅れて 空にほどける
- 作詞者
アクルナ
- 作曲者
アクルナ
- プロデューサー
アクルナ
- ボーカル
アクルナ

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雪の白さに負けてしまった最後の強がり
アクルナ
改札の向こうに、笑顔だけを残して人は去っていく。
言えなかった言葉は行き場を失い、背中に静かに積もっていく。
強がりは、守るための鎧だった。
でもそれは、同時にいちばん大切な人を遠ざける仮面でもあった。
雪の白さに紛れて隠してきた弱さ。
「大丈夫」という嘘を温めながら、壊れないふりを続けた日々。
振り向けば抱きしめられそうだった距離に、
もう戻れないと気づいた瞬間、世界は静かに音を失う。
この物語は、失ってから初めてわかる“優しさ”の話。
傷つかないために選んだ強さが、
本当は誰かを傷つけていたと知るまでの、長い冬の記憶。
やがて強がりは溶け、嘘は粉雪となり、
言えなかった言葉だけが遅れて空へほどけていく。
それでも、人は前に進く。
「もう隠さない」と決めた、その瞬間から。
切なさと静けさが交差する、雪の日のラブストーリー。
聴くたびに、自分の中の“言えなかった言葉”が重なっていく一曲です。



