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何年経っても色褪せない、あるいは数十年後に振り返ったとき初めて本当の価値に気づくような「未来の記憶」をテーマにした、BPM72(Aメジャー)のオーガニック・インディーロック・アンセムです。楽曲は、わずかに音程が狂った(デチューンされた)中音域のアップライトピアノの素朴な独奏で静かに始まります。そこにカポ2本で演奏されるアコースティックギターの指弾き(フィンガーピッキング)が重なり、まるで古いポラロイド写真のような温かみのあるアナログの空気感を醸し出します。ベースは低音域で丸く長い持続音を保ち、ドラムはグリッドに縛られないルーズなスネアの残響(ルームディケイ)を響かせ、オルガンパッドが楽曲に儀式のような厳かさ(セレモニアル・グラビティ)を添えています。
ボーカルは、空間リバーブに頼らず至近距離で捉えられた、まるで耳元で囁くようなドライな男性のリードボイス。3kHzの帯域をわずかに持ち上げることで、すぐ隣で語りかけられているかのような圧倒的な実存感を演出し、14kHz以上の高音域をカットすることでデジタル特有の痛さを完全に排除しています。さらに、フレーズの直前にあえて残された「生々しい吸気音(ブレス)」を伴うコミュニティ・コーラスが、スタジアム的な過剰さとは無縁の、親しい仲間だけで肩を寄せ合うようなエモーショナルな一体感(カタルシス)を生み出します。安易な転調やEDM的なドロップを徹底的に拒絶し、最後は引き算の美学によって楽器がひとつずつ去っていき、温かなテープコンプレッションのヒスノイズとともに、静かな余韻のなかへと着地する傑作オルタナティブ・バラードです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。