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森の奥深く、誰も通らない獣道の先に、ひっそりと置かれていた古いピアノ。
苔むした鍵盤。蔦のからまる譜面台。
そこには、誰かが残した楽譜と、長い時間の中でも消えなかった音楽がありました。
そっと鍵盤に触れると、木々がざわめき、光が踊り、眠っていた森が少しずつ目を覚ましていく。
誰がこのピアノを残したのか。
ここで、どんな歌を奏でていたのか。
森に響くカデンツァとともに、忘れられた記憶を受け取り、その続きを奏でていく物語。
葉山リナ「森のピアノ」。
最後の音が消えたあと、朝の鳥が歌いはじめます。