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深夜の帰り道、コンビニの袋を片手に持ちながら、街灯のオレンジ色の光の下で自然と足取りが弾んでしまう瞬間を切り取った、BPM94(Dマイナー)のバウンシーなミニマリスト・インディーポップ/ベッドルーム・ダンスポップです。最大の魅力は、まるでゴム毬が跳ねるような伸縮性を持つ「エラスティック・グルーヴ」。グリッドより6ms(ミリ秒)意図的に早く打たれるキックが心地よい推進力を生み出し、65%という深めのスウィングを施したハイハットと、3拍目の直前に滑り込む40%ベロシティのゴーストスネアが、メトロノーム的な正確さとは対極にある人間味豊かなポケットを形作ります。200Hz以下にわずかな歪みを加えたコーラス調のベースラインが、マイナー・サード(小三度)の狭い音程をステップのように上下します。
ボーカルは、空間リバーブを徹底的に排除した、至近距離(クローズマイク)で捉えられた非常にドライな男性の声。メロディを滑らかに繋ぐのではなく、スタッカートを効かせた歯切れの良い音節をパーカッションのように配置し、フレーズの間に生まれる「空白(ギャップ)」そのものをリズムとして機能させています。プロダクション面では、0.5Hzという非常にゆっくりとした周期でトラック全体を呼吸させるルーム・コンプレッションと、8小節ごとに右30%からセンターへとゆらゆらと定位を漂わせるシンセ・プラックの音響設計が、アナログ感溢れる温かなサチュレーションの中に立体的なウィットを添えています。現代的な派手なビルドアップや完璧すぎる補正を拒絶し、最後は右足を踏み出した瞬間("right")に音がスパッと断ち切られる、極めてストイックで愛おしい深夜のウォーキング・トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。