

夜の暖簾を くぐるたび
お前の影に つまずいた
忘れたふりして 飲む酒に
嘘が浮かんで また沈む
帰る場所など ないくせに
心だけが 帰りたがる
愛を返した わけじゃない
夢を捨てた わけでもない
ただ 抱えすぎた
未練だけを 返した夜
お前のいない この街に
俺は俺を 置いていく
季節は何度も 変わったが
変われなかった 俺がいた
幸せかいと 聞けぬまま
噂話に 杯あげる
憎む理由も もう無くて
好きと言うには 遠すぎる
涙枯れたら 終わりじゃない
忘れた時が 終わりでもない
ただ 縛っていた
未練だけを ほどいた夜
名前呼ばずに 飲み干せば
少し背中が 軽くなる
思い出だけは 連れていく
情けまでは 連れて行かぬ
振り向く癖も 今夜まで
月に預けて 歩き出す
ひとりで生きる 覚悟より
ひとりに戻る 覚悟だな
愛を返した わけじゃない
お前を消した わけでもない
ただ 俺の中の
未練だけを 返しただけ
幸せになれと 言わぬまま
俺は俺の 道を行く
アウトロ(語りでも可)
……それでいい……
……今夜でいい……
- Lyricist
TADAO CHAN
- Composer
TADAO CHAN
- Producer
TADAO CHAN
- Synthesizer
TADAO CHAN

Listen to mirenhenjou by TADAO CHAN
Streaming / Download
情を抱えたまま生きてきた男の、静かな決別。
「未練返情」「愛返上情」「女難返情」——
三つの物語は、恋と人生に揺れ続けた心の記録。
恨みでもなく、逃避でもない。
それは、過去を抱きしめたまま前へ進むための選択。
低く響く歌声と、哀愁漂う演歌サウンドが描く、
大人のための情念三部作。
『愛返上』
——それでも人は、愛を知っているから歌う。



