カンベル「彼岸花」
彼岸花が知らす秋。歩く神無月。
呑み続ける盃、己れと御前等の席。
潰れたって戻る。
手、宵の更けへと墨を暈す雲。
鳴る虫の声が外。
「死んだ後はどうする?」。
色が褪せる刺青。
後ろ浅む夏の夜、浮かれ擦る三日月。
漏れる吐息。羽織り冷える懐。
灯る帰り道、胸に募る物事。
口を閉ざす場面。夜が明ける前触れ。
運ぶ風へ声、紫煙。墨汁取る筆。
「何を大事にしていた?」。
頭、鍵穴。酒に秋草。月が照らす菊の花。
時雨見失う傘。黒く潰す足取り。
通り過ぎる肩、呼吸を混ぜる大通り。
文字、滲む文、思う程に寂しさ。
「何処に風穴?」埋める事の侘しさ。
*
手繰る季節度来る花知らせ。
朱も枯れ落ち葉。暮れの秋奏でる。
袂に要、懐に心。
灯す明けの夜更け騒いだ事。
総に麻の葉の柄の布、拭いた後も頬へ残した苦労。
街の中へ鳴る鐘、朝の鼻歌。
旬に咲き誇る花が見せる間。
晩秋に徒然。何れ体、総柄。
赤い円を朱で染め、水干絵具解く皿。
表、七草。枯れる間際、見てた萩の顔。
鍵を開ける音。指、持て余した糸。
浮世経つ街、立つ。要はどんな在り方。
熟れて落ちる柿、不意に胸を抉る真ん中。
何処も在る徒労。振れる足も千鳥格子。
身を避ける程、触れる後も独り悲しい。
次の間、戸を開ける左腕。
覗く目の奥。手前、睫毛垂れる雨点。
一気吸った鼻。晩に話す先の在り処。
匂う金木犀。瞳残す後ろ姿。
編んだ髪へ刺した簪、詩と墨。
朱く走る雷、湿る雲の下は荒波。
鹿に紅葉。然るべき縁も定め。
鶴に松の木。花札、もう一編。
*
手繰る季節度来る花知らせ。
朱も枯れ落ち葉。暮れの秋奏でる。
袂に要、懐に心。
灯す明けの夜更け騒いだ事。
総に麻の葉の柄の布、拭いた後も頬へ残した苦労。
街の中へ鳴る鐘、朝の鼻歌。
旬に咲き誇る花が見せる間。
静かに去る音。咲いては散る物。
翳した陽を布。針へと通す糸。
蜃気楼。近くに居る程遠くに。
掠れた一言、二言、減る事。
深くに鳴る音。咲いては散る物。
翳した陽を布。針へと通す糸。
蜃気楼。遠くに居る程近くに。
重ねた一言、二言、合わす心。
- Lyricist
CAMPBELL
- Composer
906 / Nine-O-Six
- Producer
906 / Nine-O-Six
- Rap
CAMPBELL
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