ミニサイズのHAPPY!のジャケット写真

歌詞

ミニサイズのHAPPY!

しい

白い息が出る

マフラーはあったかい

きょうは二十三日

町は赤と緑でいっぱい

ガラスの向こうに花がならぶ

丸い輪のかざりがゆれている

金色のりぼんがひかる

いちごのケーキがつやつや

私は人の列をよけて歩く

「急がない、でも前を向く」って決める

横断歩道の白い線を見て

一回だけ深呼吸

自販機からあたたかい湯気

甘い香りがふわっとする

道に手ぶくろがひとつ落ちていた

「これ、落としましたか?」と小さく言う

空気がやさしくなる

興味ないって思ってたけど

今夜は私の歩き方でいく

ほおの赤 マフラーの緑

小さな金色のひかりを見つける

人ごみのまんなかには行かない

歩道のはしで 小さくお祝いする

ことばを包んで 笑顔でむすぶ

家に入ると冷たい空気が消える

引き出しの中のキャンドル

火をつけるとオレンジ色がひろがる

壁の影がゆらゆら動く

ココアを入れて 白いマシュマロ

ゆっくりとけて やさしい味になる

音楽の音を少し小さくして

町の音をいっしょにきく

袋のカサカサ 小さな鈴の音

三階のベランダには赤いくつ下

私はかかとをコツンと鳴らして

背すじをのばし 息をそろえる

興味ないと言いながらも

心の中はあたたかい

指さきは赤い 道には緑の影

キャンドルは金色に光る

主役じゃなくていい

通りすぎる人に そっとわたす

小さなうれしい気もち

友だちから「来る?」とメッセージ

私は「きょうは家」とだけ送る

まどを少し開けて 夜の空気をすう

片手でポケットの内側をトンとたたく

その音で 心の速さがぴったりになる

帰り道が少しかるく感じる

「興味ない」の札をすこしだけ動かして

赤と緑の道をまっすぐ歩く

小さな金色の火をつれて帰る

目が合った人に 一秒だけ笑う

ミニサイズの贈り物

あて名は「だれでも」でいい

まどの外はこん色 部屋の中はオレンジ

カップの底に甘さがのこる

明日のアラームは七時

「興味ないけど いい夜だった」

毛布をあごまで引き上げて 目を閉じる

  • 作詞者

    しい

  • 作曲者

    しい

  • プロデューサー

    しい

  • ボーカル

    しい

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    ミニサイズのHAPPY!

    しい

放課後の商店街をすり抜ける帰り道。赤と緑の飾り、白い息、少しだけ背伸びした私。落ちていた手ぶくろに声をかけ、家ではキャンドルを灯し、ココアにマシュマロを浮かべる。主役にならなくていい。歩道のはしで一秒だけ笑顔をわたすと、胸の真ん中に小さな火が残る。ミニサイズでも確かなHAPPYを、今日の自分のテンポで見つける物語。

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