Lyric

潮騒はもう聞こえないな

強い日差しから逃げるように

足元だけを見てた

目指す場所はどこにもなかった

ただ流れていくだけの日々

漂よっているだけの暮らし

いつのまにか体は

走り方を忘れてしまった

駅前のロータリー、バス停

知らないうちに色褪せて

しまったままの靴は

あの時と同じ色をしてる

君はやるせなさを受け入れ

僕は立ち尽くしたままで

もがいていた日々が

僕を揺らした　何もないな

逃げ水の向こう側に　きっと求める答えがある

再びスタートを切る　号砲が鳴り響く

もう一度　風を切って　遠く遠くへ

誰よりも速く　辿り着けるようにと

思ったより遠回りだったねって　笑って

失ったものと同じものは手に入らないけど

息切れすら今は心地良い

時間だけが過ぎ去っていった

深い影に息を殺して

笑い合う日向には

もう戻れないような気がして

振り返った路地裏に　待つ人は誰もいないや

靴紐を締めて　合図を待っている

もう一度　風になって　遠く遠くへ

誰にも追いつかれないくらい　ずっと先へ

流れる景色の輪郭は溶けていって

失ったものと同じものなんか必要ないんだ

鈍い痛みも抱えていたい

誰かの　誰かの　何かのせいにしたかった

詮の無い思いを　引きずって歩いていた

それでも　それでも　生活は続いてく

凪のない汐音は　ずっとそこにあったんだ

君には　君には　君にはわかってほしかった

花の色は移る　憧憬もそうであれ！

ただ一つ　一つだけ　あの日の約束が

僕を生かしている

もう一度　風を切って　遠く遠く　ずっと先へ

誰よりも速く　辿り着けるようにと

思ったより遠回りだったねって　手を振り合って

失ったものも傷もいつしか美しさになる

今はただ　駆けていたい