

帰りの靴を 脱いだあと
棚のいちばん 下の箱
昨日の声が 耳に残り
一枚だけを 引き出した
すり切れかけた 紙の角
指で一度 裏返す
黒いラベルに 残る傷
B面の文字を 指でなぞる
あの夜のレコード ここにある
この曲が 似合う気がして
君は笑って 渡したね
鞄へ入れて 大和を出た
引越した日の 夜更けには
B面ばかり かけていた
窓の外には 知らない灯
針を上げれば 朝だった
電話のベルが 鳴るたびに
あなたの町を 思い出す
話はいつでも 軽くして
レコードのこと 言わなかった
東京で 何度もかけていた
その一枚を 箱にしまった
B面を 下にしていた
誰にも 聴かせなかった
昨日の声を 思い出して
あの箱だけを 引き寄せる
B面に針を そっと置いて
部屋の灯りを 少し落とす
あの一枚を 今かけてみる
似合うわけを 聞かないまま
針のそばから 離れずに
最後までここで 聴いている
針を上げて 窓を開け
夜の空気を 入れ替える
あの箱の底へ 戻して
明日の靴を 揃えておく
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“夜を裏返して”を
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夜を裏返して
Akemi
「夜を裏返して」は、上京前夜に手渡された一枚のレコードを、長い年月のあとで自分の意志でもう一度聴き直す夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
棚のいちばん下の箱、すり切れかけた紙の角、黒いラベルに残る傷、B面の文字、そして知らない灯が並ぶ東京の窓――言葉にされないまま預けられた気持ちが、静かな部屋の中でゆっくりと輪郭を取り戻していく。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、理由を問いただすことも、関係に名前をつけることもせず、受け取ったものを自分の手で確かめ直す大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、レコード、上京の距離感、電話越しに思い出す町を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
似合うわけを聞かないまま、針のそばを離れずに最後まで聴きとおす時間。
聴き終えた一枚を箱の底へ戻し、窓を開けて明日の靴をそろえる――そんな、過去に留まらないための静かな手つきを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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