

僕は今 片足をひきずって
街のはずれを歩いている
印刷ずれした黒い鉄路
小児科医院の灯りは暗い
真夜中の似顔絵描きが現われないうちに
どこかで鉄が錆びている
乾いた砂ぼこりが懐かしい
永遠のだいだい色の中に
何匹もカラスがやってくる
真夜中の似顔絵描きが笑わないうちに
駄菓子屋が今を越えて
ガラスの風ほほにつき刺さるよ
誰かの家少女のピアノの音
星を見るのは怖すぎるよ
真夜中の似顔絵描きが僕を見ている
- 作詞者
石川浩司
- 作曲者
石川浩司
- プロデューサー
ミャビー
- グラフィックデザイン
金子志津枝
- ボーカル
石川浩司
- アダプター
バタタケンチ

石川浩司 の“汽車には誰も乗っていない”を
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汽車には誰も乗っていない
石川浩司
これは僕が一番リスペクトする漫画家であるつげ義春さんの作品を眺めている時「この少し暴力的な懐かしさのある風景を歌にできないか」と思い、二十歳の頃に作った作品です。自分の影だけが自分の本体から離れて寂しい夜の街を彷徨っているような、そんな絵を聴いている人に想起させられれば僕は嬉しいです。僕は今でも夜空の星を見上げると、あんな遠いところにもいろんな人たちが普通に生活しているのかと想像すると、なんとも言えず怖しい気持ちになります。