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壮大なスタジアム級のアスピレーション(上昇志向)や、救済を予感させるオーケストラの高揚、そして空や道をモチーフにした神話的なレトリック(no mythic scale)を徹底的に焼き尽くし、1990年代中盤のマンチェスターが孕んでいた「身も蓋もない日常の諦念」を形にしたヘビー・ブリットポップです。BPM94の重厚なミドルテンポ。Oasisの初期作品を手がけたオーウェン・モリス直系の2バス・サチュレーション(Owen Morris 2-bus saturation)と、スネアの過激なトランジスタ・クリッピング(P2 transient clipping)が、音が互いに激しく激突し合う高音圧のセンター塊を構築しています。アタックの強いバレーコードを掻き鳴らすリズムギターと、サビでのみ高域を圧縮して絡みつくリードギターの対比が鮮烈です。
歌詞の核となるのは、コンテクストを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「ありふれた朝、なかなか沸かないケトル、昨日と同じニュース。誰もこの退屈を正しには来ないし、奇跡の兆候なんてどこにもない」。リアム・ギャラガーの全盛期を彷彿とさせる、鼻にかかったチェストボイスでの宣言的なぶっきらぼうさ(male vocal: chest-only)は、マンチェスター特有の平たい母音("morning" → "mornin")を生々しく残し、フレーズの語尾を伸ばさずぶつ切りに投下することで、圧倒的な説得力を放ちます。サビこそが「変化の失敗」を淡々と告白する装置であり、最後は解決のコードを真っ向から拒絶し、リフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。