循環する生命のフォークロアのジャケット写真

歌詞

ソーラー

田中事件

いつか登ったクソ田舎の山道を

今日は反対からするりと下って行く

普通に生きていれば入り込む筈も無い路地で迷った事

左手に見た森の入り口を、向かう右手に見た

過ぎ行く旅よ

少しすれば全部忘れるけど

風が似た香りを運べば

何かを感じる時もあるでしょう

移り行く日々よ

何もかも滅びゆく訳じゃないけれど

色褪せた同じ通りを歩く頃

僕らはきっと同じではないでしょう

いつか登ったクソ田舎の山道を

今日は反対からするりと下って行く

きれいでもない様な思い出が

乾いた冬の空気に反射して

あの頃にはなかったソーラーパネルの

群れに打ち壊された

今は亡き君よ

その声を未だ忘れぬけど

風が似た香りを運べば

何かを感じる時もあるでしょう

移り行く日々よ

何もかも滅びゆく訳じゃないけれど

色褪せた同じ通りを歩く頃

僕らはきっと同じではないでしょう

  • 作詞者

    田中事件

  • 作曲者

    田中事件

  • レコーディングエンジニア

    Jun Kawamoto

  • ミキシングエンジニア

    サマリー

  • マスタリングエンジニア

    Isao Yamanaka

  • ギター

    田中事件

  • ボーカル

    田中事件

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令和になってから1stのソロアルバムを作り始めたのにもう令和二年から三年に移ろうとしている。とても早い。今年のコロナは本当にひどかった。現在進行形でひどいのだが、いつかは終わるはずだし、今年感じた事はそれらが終わる前に形にしておきたい。なので2ndを作る。その時に形にしなければ伝えられないものもある。平成が遠ざかるにつれて平成という曲を歌うことに対しての違和感が増えるが10年すればどうでもよくなるだろう。ちょっと古いくらいのものが一番ダサく感じられるものらしくて、だとすればこの先数年が恐らく最も平成という曲に違和感を感じる時期かもしれないがそんな事は流行り廃りと同じくらい気にする価値もない。今でもKlagenicoleの今夜は眠いを歌う事があるし10年後に田中事件の平成を歌うこともあると思う。その時に自分がまだ田中事件であるかどうかはわからないが、それでも歌うのなら、いくらかはその頃の気持ちで歌うのだ。

 曲にはその頃の記憶が封じられている。バンドマンとして、プレイヤーとして時を経るごとにそう思う。リスナーとしてだってもちろんそうだと思う。a transparent girlを聴けば思い出す光景があるし、ruruxu/sinnを聴けば思い出す光景がある。10年後、れもんを、タローキジウマを、SHIROSTを聴いて何かを思い出す事があるだろう。感傷に建設的な意味は無いが自分にとっては大切なものなんだから意味付けをするのは勝手だ。自己完結している。小さな世界で完結していて別に構わない。内輪だとか自己満足だとかいうのは大きなお世話である。その是非は自分で判断する。



 長くやっていれば、多くの事を体験するものだ。特に長くやるということだけは長くやっていなければ体験できない。ひとつひとつの嫌いなものや好きなもの、読んだ本や聴いた音楽、職業や付き合って来た友達や、育って来た環境、トラブルの数、全部の積み重ねで、他のどこにもない、他の誰も持たない経験の複合体ができあがる。誰だってそうなる。みんな違ってみんないいなんて言うつもりはないしその言葉は嫌いだ。でも、みんな違うのは事実だ。みんないいなんて事は絶対ない。みんな良くも悪くも違う。それを形にすればこれまた良くも悪くも違う。悪いかもしれない。結果として僕にしか作り出せないものはある。それなら作りたいと思う。  


 遠い昔の誰も知らない個人的な思い出を語る事にはきっと意味がある。その人にしか語れないからだ。もちろん直接話すのならば相手は選ばなければならない。特定の誰かに向けて話すのならばよほど慎重にならなければ。個人の思い出なんていくらその人にしか語れないものだろうと大体の人にとってはゴミだ。無理矢理聞かされたって困る。ぜんぶ独り言にすればいい。MCは独り言だ。歌も、独り言だ。その独り言が誰かに向けられていたとしても。だって届くと思って期待してると届かなかった時つらいじゃないですか。歌えばいい。鳴らせばいい。MCで喋ればいい。曲にすればいい。受け取るかどうかは聴く人次第でいい。間違っても手拍子なんかいらない。勝手に鳴らしてるから。それを聴いてくれたら嬉しいと思う。勝手ながら。

もう35歳だ。
すぐ36歳になる。

 伝えたいことなんかないなんて言いながら何か伝えたい人達がたくさんいて、でもしばらくすると本当に意味のないものになってしまう。自分自身を含めた多くの物事に意味がなくなってしまった事に耐えられない無意味な中年男はそれに無意味な意味付けをする。

 無限に繰り返された事を繰り返そう。それを形にする。あらゆる時代の人が繰り返し語った物語を、またほんの少し違う風に話しているだけだ。

だいたい同じ、大切な話だ。

最近、フォークってそう言うものかなと思う。

循環する生命のフォークロアのひとかけらをアルバムとして形にしようと思う。



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【6名のアーティストによる推薦コメント】
僕の愛車軽自動車ラパンには一枚だけCDがあって、ずっと誰のアルバムかよく知らないまま友達にもらって聴いていて、僕が落ち込んでいるときに聴くと、体が楽になるから聴いていたけど、それが田中事件という音楽家のアルバムだと知って、しかもセカンドアルバムが出ると聴いて、それも車においておきたい、と思った。
– 坂口恭平(作家、建築家、音楽家、画家)

この時期に興奮気味にアルバム連作する。あやかりたい行動力だ。すべての歌詞が生きている。彼と同時代にいることがうれしい。今回のアルバムタイトルが特にそう感じさせる。イラストで参加できて、コラボした気分です。
– 倉地久美夫(シンガーソングライター)

めっちゃ田中さんワールド!酔うと1万円溶かしちゃうクズの話なのは序盤だけで以降は切ない犬の唄というぶっ飛んだセンス、とか。”王道”と”時代”のバランスがとても良く、「なれはて」という名曲を産み出した田中さんスゲーっす。「生産性のワルツ」も好きです。そして「あの頃の僕はこんな歌は嫌いだろうな」という歌詞は刺さりました。熊本から真っ直ぐ唄を届け続けて欲しい人です。
– ゲイリー・ビッチェ (モーモールルギャバン)

送ってくれた音源をいろんな場面で聴いた。仕事中、仕事の帰り道、ベッドの上、西友で買い物をしている時とか。ベッドの上でボーッとしながら聴いていると、私と田中の戦いになった。不安定な詩とナイーブなメロディが、心の隙間に入り込んで来そうだった。私にとってお前は田中なので入ってこないでくれ、って強く思うことでなんとか大丈夫でした。田中を知らないあなたにとっては、本当に危ないアルバムだと思います。知っていても危ないです。生産性のワルツでは、女性と男性がオクターブでハモるという好きな形態のサビで泣きそうになった。この上なく危ない。
– 石下谷温美(迷いクジラ)

これは決して音楽をする為に作られたものではないと思う。ただ、音楽という器の中に、明確な思想と、極彩色の悪夢の淵で見つけたようなガラクタと、自己の裏側に偶然あったような透明な調味料をかき混ぜた料理。それは本人さえもどんな味がするのかわからず、それでも薄ら笑いながら差し出してくるのだ。『食え』と。
– 深居優治(広島のバケモノ)

頭がいいのだから「ポアンカレ予想を裏切って、ガフの扉を開こう。」みたいな曲を書けばいいのに、今日も事件さんは景品のペンギンを殴ったり小銭を盗んだりしています。この人の言葉は鉄の味がします。血がたくさん入っています。あと、踏んでないのにファズの音がします。NAVAROで鳴ってるファズの音。
– タローキジウマ(変寺)

アーティスト情報

  • 田中事件

    2007年、熊本にて、オルタナティブロックバンドKlagenicoleのボーカルギター/ソングライターとして活動を開始。Klagenicoleの休止後、4ピースロックバンドMice Wet Shoes、アコースティックユニットKlagitz、zankyo souchiなどで活動。2019年からソロでの弾き語りを主とする 作品一覧: 2019年 1st album: Requiem for My Genenration 2021年 2nd album: 循環する生命のフォークロア Compilation Book: この変な世界図 2022年 ハトカネコとのユニット「鳩化事件」によるEP: フェイント e.p. 2023年 3rd album: 同名異作詩空間 4th album: マグマくまくんの誕生/童謡集 同時リリース 2024年 single: Bar Wonderの最期 5th album: マグマくまくんのリトミック入門/第二童謡集 2025年 single:一日だけねこになれたよ single:修羅のテーマ 6th album:マグマくまくんと肯定否定の世界/第三童謡集 single:てんとう虫のレクイエム-NAKAMITSU SKY WALKER ver.- 7th album: 謝罪Aサウンドトラック

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4JC RECORDS

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