Lyric

見えない傷にリボンを結んだら

平気なふりが上手になっていく

すれ違うとき　ふわり香る

欠片を見つけてしまったとしても

気づくのは私の方だけ

だね

知らない　知らない

知らないよ君のことなんて

とうの昔にあった出来事など

今は聞きたくないわ

言えない　言えない

言えないよ　覚えてるなんて

忘れたふりがずっと

難しいな

栞を挟んで閉じた本のように

続きのページはめくれないままで

寂しそうに見つめている

くすんだ青のデルフィニウム

変われないままの私でごめんね

知らない　知らない

知らないままで良かったんだ

ひとりで拾う思い出には

優しさが滲んでる

癒えない　癒えない

癒えないよ　傷だらけだって

その手に　もう一度だけ

触れてみたいなんて

傘のすき間　濡れたままの声

夕立みたいに　去っていく

通り雨とわかってたのに

なんで　乾かないんだろう

言えない　言えない

言えないよ

知らない知らない

知らないままでよかったんだ

何度も読み返すページに

滲むインクの跡

消えない　消えない

消えないままで良いと言って

閉じた本　栞の奥で

小さな青が揺れる