

屋台の灯りが
君の横顔を赤くしてた
綿あめの袋が
風で少し鳴っていた
人混みの中で
手を離したわけじゃない
でも気づいた時には
指先だけが夏に残ってた
花火が上がる前に
君はいなくなった
空を見る理由だけ
僕に残して
探した
探した
でも君の背中は
祭りの音に混ざっていった
太鼓
笛
笑い声
焼けたソースの匂い
全部が近いのに
君だけ遠かった
何かあったのって
聞けなかった
何もないよって
言われるのが怖かった
君の目が
少しだけ静かで
その静けさに
僕は気づかないふりをした
金魚のみなもが揺れて
提灯の赤がにじんで
楽しいはずの夜が
少しずつ息苦しくなった
好きって言えば
戻れたのかな
ごめんって言えば
止まれたのかな
でもあの時の僕は
花火の音を待つみたいに
君が笑うのを
ただ待っていた
上がらない花火を
ずっと待ってた
終わらない夏を
信じたかった
君がいない
君がいない
夜空だけが
先に明るくなった
迷子放送が流れて
誰かが名前を呼ばれてた
探してくれる人がいるって
少しだけ羨ましかった
僕はもう
子供じゃないから
泣いても
誰も迎えに来ない
浴衣の袖に
触れそうで触れなかった距離
その一瞬が
今もいちばん長い
君は最後まで
優しい顔をしてた
だから余計に
終わりだってわかった
花火まであと何分って
誰かが近くで笑ってた
僕らにはもう
何分も残ってなかったのに
スマホを見た
時間を見た
君を見た
言葉だけ
どこにも見つからなかった
人は多い
音も多い
灯りも多い
なのに僕の中だけ
変に静かだった
行かないでって
言えばよかった
でもその言葉が
君を困らせる気がした
優しさのふりをして
何もできなかった
大人ぶった沈黙で
君を夏に返してしまった
花火が上がる前に
君はいなくなった
さよならより先に
背中でわかった
呼べない
追えない
強がりだけが
やたいの袋に残った
一発目の花火が
そらをおおったとき
周りはみんな
上を向いていた
僕だけが
君のいない横を見てた
綺麗だった
たぶん綺麗だった
でもその光は
僕には少し遅かった
花火が上がる前に
君はいなくなった
あの夏だけが
今も終わり方を知らない
帰り道
下駄の音だけが遠くで鳴ってる
僕はまだ
人混みの中で
言えなかった一言を
探している
- Lyricist
SNOIZ
- Composer
SNOIZ
- Producer
SNOIZ
- Vocals
SNOIZ

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Lost in the Festival Sounds
SNOIZ
夏祭りのざわめきの中、伝えられなかった一言だけが胸に残る。
SNOIZ「祭りの音に混ざって」は、花火が上がる前にいなくなった“君”と、言えなかった想いを描いたエモーショナルソング。
屋台の灯り、提灯の赤、人混みの熱気、そのすべてが近くにあるのに、君だけが遠くなっていく。終わらないと信じた夏の終わりを、切ないメロディと静かな痛みで描いた一曲。



