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「生活のちょっとした不器用さや、誰にも言わない深夜の小さな全能感」を、粗削りなガレージロックの衝動とスローコアのひたむきな熱量でコーティングした、BPM144(Gメジャー)の荒々しく不敵なパワー・パンク・ポップです。楽曲の最大のフックは、完璧なデジタルクォンタイズをあえて放棄した「8ms(ミリ秒)遅れて着地するスネアの重さ(8ms-late snare clumsiness)」。4小節ごとに1音ずつキックの配置が変異していくトリッキーなドラムパターンと、波形の上部がわずかにクリップする(波形歪み)ほど過激に歪ませた太いベースラインが、前のめりで愛おしい生活の不均整(クラムジネス)を体現しています。
楽器構成は、3弦のチューニングがあえてわずかに狂ったまま(slightly out of tune on the 3rd string)かき鳴らされる、ジャングリーでラウドな2本のエレキギターのパワーコードのみ。シンセパッドなどの電子音は一切排除。サビ(コーラス)の「SHOELACE」という言葉に突入した瞬間、それまで左右に広くパンニングされていたギターが、突如としてセンターの細いモノラル(mono)へと強制集約される「モノ・コラップス音響」を敢行。さらに、中央に定位したバリトン・ボーカルのダブルトラックが「左右で意図的に15ms(ミリ秒)ずらして録音(15ms-misaligned double-vocal realism)」されているため、耳元で声が激しく明滅し、聴き手の脳を直接揺さぶるような強烈な初期衝動を演出します。中盤のブリッジでは、何の前触れもなくギターやシンセが全消滅し、キックと声だけになる「ゼロ・ワーニング・コラップス」が襲来。ここでシンガーがフレーズの途中で素で吹き出してしまう「生の笑い声(ブリッジ・ラフター・アーティファクト)」すら、編集で消さずにそのままミックスへ残す徹底したリアルへの拘り。最後は解決のコードを鳴らさず、スネアのゴーストノートの瞬間にマイナス1.2 LUFSの過激なマスタリング・リミッターがスパッと完全な真空の静寂へと遮断される幕切れが、最高のカタルシスを脳裏に焼き付けます。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。