下北ライフのジャケット写真

歌詞

ワンピース (feat. DEJI)

CHIN-HURTZ, KENTAKKU

(CHIN-HURTZ)

走り出す夢 浮かぶ雲の上

暗くなる仲間と過ごした屋根

灯りに寄り添い語り合ったね

あの日にした約束はどこまでも

眠る財宝 今も待ち侘びて

えぐる地表 砲弾の雨

にも負けずに請う一つの鍵

君にしか開けられない役目を課し

悲しみに染まる涙を流し

大海へとダイブ!過去は晴らし

決して消える事のない傷は証

日誌に書きとめとく 未来の為に

いつかまた会おう!異界の国で

受け継がれて来たその地図を見て

思いを馳せる!舵をきって

その抜けたピースを探しに行く!

(フック)

ワンピース!探しに行こう

すべてはそのために命かけよう!

少年はジャンプし磨く才能

夢努力勝利!歌っていこう

(KENTAKKU)

東の海で生まれ育ち

己磨いていざ旅立ち

出会って別れてを繰り返すが

ずっと横いる仲間と旅は続く

見る孤独じゃ行けない

胸に描いた新しい世界

ピースを繋ぐ

求める自由は必ずそこで待ってる

大空に汽笛鳴らせ

鳴らし続けた先 光が刺す

地図には書かれてない暗闇

にも向き合い 目指すは果ての海

届くもうすぐする覚醒

太陽が笑い出して夜が明ける

今あるこの世界

邪魔な壁は崩壊

世代跨いで共に行く

(フック)

ワンピース!探しに行こう

すべてはそのために命かけよう!

少年はジャンプし磨く才能

夢努力勝利!歌っていこう

(DEJI)

何やらイキる一味が居るらしい

1ミリ足りともない生きる価値

正義を掲げ マントの姿で

倒す輩は十把一絡げ

裏切り 怠惰 敗北

負け犬根性 とやらを体得

させるべく 撃破する海賊

血のり拭いて帰路に着く毎度

千変万化する時代

喧々諤々する 機会

原点回帰する気無い

上等だ 潰し合い

願いが届くように?

笑止 友情 努力 勝利

燃やし尽くすロギア

覚えときな マグマ 光 氷

そこどきな 隕石と植物も続く

かいらいの傀儡

支配の歴史は続く

(フック)

ワンピース!探しに行こう

すべてはそのために命かけよう!

少年はジャンプし磨く才能

夢努力勝利!歌っていこう

  • 作詞

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU, DEJI

  • 作曲

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU, DEJI

  • プロデューサー

    Arch Beats

下北ライフのジャケット写真

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下北ライフ

CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 1

    イントロ -メテオからの紹介-

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 2

    ハイチュウマン

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 3

    無限の彼方に

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • ⚫︎

    ワンピース (feat. DEJI)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 5

    下北ライフ (feat. SMOKIN' ACE)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 6

    ネバネバ

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 7

    究極魔法 (Remix)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 8

    あじと (feat. METEOR)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 9

    交通事故に気をつけろ!

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 10

    悪夢 (feat. Ceeman)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 11

    シズメタマエ (feat. Dali Tha Art)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 12

    未来の歌 (feat. Shinobicious a.k.a enya66)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 13

    アウトロ -いつぞやの話-

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

(Recommend by DJ H!ROKi)
 「下北ライフ」という言葉を聞いて、どんな情景を思い浮かべるだろうか。昼夜を問わず、若者を中心にファッションや音楽など様々な文化芸術に興味関心をもつ人々が集い、渋谷や新宿など都心の主要なエリアとのアクセスも良い下北沢での暮らしは、たくさんの出会いや刺激、そして夢や希望に溢れていて、きっと楽しいに違いない。自分も含め、下北沢に住んだことのない人の多くは、おそらくこのようなイメージを抱くのではないかと思う。本作の主人公であるラッパーのCHIN-HURTZとKENTAKKUの2人は、アルバムリリース時点(2023年4月)では実際に下北沢で暮らしているが、当事者である彼らにとっての「下北ライフ」とは、一体どのようなものなのだろう。

 この問いの答えを探すには、やはりアルバムタイトル曲である5曲目「下北ライフ」を聴くのが手っ取り早い。最初に登場するCHIN-HURTZのリリックでは、駅前の再開発といった街の変化や、あるいは他の街からやって来る仲間と遊ぶ様子などが描写されているが、彼はバースの最後をこのような言葉で締め括っている。

駅前にはバンドマンがたむろする 打ち上げか?俺も20代はあんなだった 「マジだりい」とか思い、そこを去った (CHIN-HURTZ)

 駅前のバンドマン達は、一般的に思い描く下北沢の住人そのものだが、CHIN-HURTZはその若者達と距離を置こうとしている。「俺も20代はあんなだった」と自覚しているように、彼もバンドマン達と同じく自分のやりたいことがあり、そして未来への夢や希望を持ってこの街に来たはずである。だが、今は同じ境遇の人に対して親近感を抱けなくなってしまっている。また、KLOVAL RECORDSの代表であるSMOKIN’ ACEは、3バース目に以下のように歌っている。

当たり前のように過ごす時間も 限りあると知り景色変わる 普段と (SMOKIN’ ACE)

時間は無慈悲感じてる 日に日に (SMOKIN’ ACE)

 彼は町田からやって来て、レーベルメイトである二人と共に下北沢で過ごす様子を歌う中で、この街で二人と一緒に過ごす時間があまり残されていないこと、そして時の流れの残酷さについて触れている。当初は夢や希望を抱いて始まったはずの「下北ライフ」も、年齢を重ねていくにつれ、自分自身を取り巻く環境は変わっていくし、音楽活動や生活を維持するための経済的な負担も大きいし、実家に残る両親の問題などにも直面するだろう。彼ら二人に限らず、皆ここでの暮らしをずっと続けられる訳ではないのだ。一見すると楽しい日々が綴られているようだが、音楽に夢を抱いて下北沢での暮らしを続けてきた40歳前後のリアルもしっかりと描かれている。フックでは「俺らの下北ライフ」と歌っているように、これがCHIN-HURTZとKENTAKKUにとっての「下北ライフ」なのだ。

 順番は前後するが、3曲目の「無限の彼方に」では、実は二人とも下北沢を去る予定であること、また本作の意味が直接的に示されている。

めくるめく季節はひとつずつ無くなっていく (CHIN-HURTZ)

「想い出」と書いたアルバムを作ろうぜ あと一年で 俺とお前の魂の結晶を残そうぜ (CHIN-HURTZ)

 二人がこの街で暮らし、そして活動を共にした日々が、彼らの人生の中で最も充実し、楽しかった時期であったことが窺える。そしてリリックにあるとおり、「下北ライフ」はまさに彼らの「アルバム」なのだ。配信音源の最終トラックとなる「アウトロ -いつぞやの話-」では、彼らの生活の断片をそのまま切り取ったような二人の会話が収録されているのだが、その会話とともに、本作の中でも最もメロウでエモーショナルなビートが流れる。最初は会話の内容とビートのギャップに違和感を覚えたが、アルバムの真の意味が分かると印象が全く変わり、何気ない会話だからこそ胸に迫るものがあった。それぞれ年齢を重ねたとき、二人はどのような気持ちでこのアウトロを聴くのだろうか。

 このアルバムを完成させることによって、彼らは下北沢での暮らしに終止符を打つことができるのだと思う。アルバム終盤の「未来の歌」を聴けば、彼らが既に新たな生活への前向きな一歩を踏み出していることが分かるだろう。自分が理想とする将来像を明るくストレートに描いたこの曲は、数あるCHIN-HURTZの作品の中でも最も心に響く楽曲だ。

 アルバムには下北ライフで出会ったラッパーも数多く登場するが、それぞれ個性に満ちた聴き応えのあるバースを聴かせてくれる。また、全楽曲のビートを制作し、タイプが全く異なる二人がタッグを組んだ作品を見事にまとめ上げたArch Beatsの手腕に注目してほしい。ヒップホップの根源的な魅力と優れたバランス感覚を備えた彼のビートの数々を聴くだけでも十分に価値のある作品だ。そして、アルバムの主役はもちろんCHIN-HURTZとKENTAKKUの二人である。とくにKENTAKKUはこの3年間、METEOR & CHIN-HURTZの諸作品での客演やソロ音源の発表など、コロナ禍においても精力的に活動を続けてきた。リリースのスピード感が重視された作品群での客演や個人での制作とは異なり、CHIN-HURTZとArch Beatsという信頼のおける仲間と共に一曲一曲とじっくり向き合った本作は、彼にとってこれまでのキャリアの集大成と言えるだろう。まだ荒削りな部分も多く残るが、「下北ライフ」を経た彼が今後どのような変化を見せるのか、とても楽しみだ。

 ここで取り上げた楽曲だけでなく、本作にはこれまでのCHIN-HURTZ作品の流れを汲んだバラエティ豊かなトピックの楽曲も収録されている。ときにニヤリとしながら、ときに自分自身の人生と重ねながら、二人と一緒に「下北ライフ」をエンジョイしよう

アーティスト情報

KLOVAL RECORDS

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