

半袖の上に着た上着を脱ぐ季節は
腕のあいだを通っていく生ぬるい風と
ひじに触れる巻き上げられた長い髪
ぼんやりと光る街灯を見ながら
「もう風が寒くはないね」とつぶやくあなたの声とか
駅から出ると横断歩道にひとの群れ
反対側に回って歩道橋を上る
思い出したいのは ただあの日滲む赤ランプの列
どこにいたってあたしだって気づいてほしいけど
きっと見つけにくいからいつも同じ色を身につけています
もう長いこと経った あなたはいまどこにいるんだろう
星が見えるかなと思って足を止めた夜
みんな地上に落っこちて踏み込まれて光って
家路をひたすら進む
ペダルに反応しているあの光のように
あなたの目に見つめられることに応えて赤く光ろうと思った
ぼんやりとした風も立ち止まる
あなたももってた光のはずなのに
あと一時間で着けるまちなのにこんなにも夜は遠い
寄りかかって眺める隣にもうあたしはいなくても
この風はあなたの首筋をかすめていくといいな
言えなかったさよならは風に乗せないでおこう
どこにいたってあたしだって気づいてほしいけど
きっと見つけにくいからいつもおなじ色を身につけています
今も見つめられたら同じように応えられるように
- 作詞者
赤星友香
- 作曲者
めがね

めがね の“歩道橋”を
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