

隣の村長の家には
猫が何匹もいる
我が家の庭を
よくほっつき回って
チロに吠えられていた
小学生の頃に
僕の昼ご飯の唐揚げを
全て食い散らかして
逃げて行ったあの斑猫
仏の間に上がり込んで
お供物の菓子を
食い散らかして
逃げて行ったあの黒猫
猫の盗賊団
猫の盗賊団
大学生の頃
或る晴れた日曜日に
母の叫び声が聞こえた
布団の中で村長のどら猫が死んでいた
誰にも見つからないように
奥の奥に潜り込んで
眠るように死んでいた
因縁があるから
ここで死んでたと言っても
信じて貰えないだろうし
隣近所の付き合いに支障が出るからと
父は或る夜、梨畑に死骸を埋めに行った
数年後、父は梨畑を売った
一昨年の夏、僕が10年ぶりに梨畑を見に行ったら
買手の人がじゅんさい沼に作り替えていて
梨畑は跡形も無くなっていた
猫の死骸をどこに埋めたか知らないけど
じゅんさいの栄養になっているのだと思う
じゅんさいになった猫
じゅんさいになった猫
じゅんさいになった猫
- 作詞者
鈴木 諭
- 作曲者
鈴木 諭
- ミキシングエンジニア
鈴木 諭
- マスタリングエンジニア
鈴木 諭
- ギター
鈴木 諭
- ボーカル
鈴木 諭

鈴木 諭 の“じゅんさいになった猫 (Live at 工房ムジカ 2024.07.20)”を
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鈴木 諭
2024年7月20日に工房ムジカにて行った、初・独演会『27年前の私に送る秋田の詩たち。』の模様を全編音源化。当日は酷い雷雨。演出かのように入り込む雨と雷の音。ライブの内容も圧巻。
店主・葛原りょう氏はライブ後に、以下のように書き残している。
「こんなに全身血の気の全力で引くライブは初めてだ。
圧倒的な虚無感。語りの冴えが痛ましく、リアルの極み。
月曜日の雪。犬の川。亀の串刺し、ばあちゃんの遺影。
上田病院。アトピーの歌。怒涛のギターの畳みかけ。
言い尽くせぬライブだった。
たしかに梅雨明けの日暮里は雪国だった。」
筆舌に尽くしきれぬ地獄の世界、心して体感して貰いたい。
いざ、地獄の世界へ。
アーティスト情報
鈴木 諭
地獄の詩世界と秋田弁ブルースを唄う、ただの秋田県人。じゅんさい王国(旧・山本町)出身。2023年頭より弾き語りを本格始動し、代表曲である『犬の川』はライブ演奏を通し多数の人間から「これは犬の楢山節考だ」などと激賞を得た。また秋田弁ブルースは「何を言ってるか全く分からないけど面白い」等の声を集め、ライブの重要要素の一つとなっている。
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